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「昨日の自分に教えたいこと」をテーマに書き散らしてます

【書評】「努力が勝手に続いてしまう。」は精神論なしの良書だった

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「努力が勝手に続いてしまう」システムの作り方を学びます。

 

 

偏差値30台から同志社大学に入学、その後ケンブリッジ大学で心理学を学んで卒業したという異例な経歴を持つ著者、塚本亮さんの努力術です。

 

タイトルだけ見ると、よくある武勇伝と「俺はこんなに努力した自慢」に終止しているんじゃないかという雰囲気も感じられますが、そんな内容ではありませんでした。

むしろ、心理学の見地から科学的に努力を続けるノウハウがまとめられています。この努力が勝手に続くシステムを構築すれば、どんな人でも無敵になれると思います。

 

…もちろん、本の内容を実行しようとする行動力を捻り出すのが、一番難しいんですけどね。笑

 

 

目次

 

素直さを身につける

何かを成し遂げている人とそうでない人との差は「努力の差」というよりも、物事に対する「素直さの差」の方が大きいのではないか、そう思うようにもなりました。

 

まずは、最初の一歩を踏み出す素直さを身につけること。

人間はやらない理由を考える時、一番脳が活性化して創造性を高めますから、やらない理由というのは無限に出てくるものです。

 

あれこれ理由を並べて、やらない理由を作り出さない素直さが、努力を続けるための第一歩なんです。

「あの人はこういうスタイルで成功してるけど、私はあえてこういうやり方で始めよう」とか。考えたことありますよね。

 

でも、なぜ成功している人のスタイルを真似て、まずは始めようとしないんでしょうか?

成功している人の勉強法やノウハウは、少なくとも成功者ではない私達の我流よりは効率が良いはずです。成功に近づくための大きな第一歩になるとわかっているのに、素直さが欠けていると自分で1から始めようとします。

 

そして失敗し、「自分には向いていなかった」という言い訳を作り出すんですね。

 

それなら初めから、成功者や憧れの人、先生や師匠やメンターといった尊敬できる人物の教えに従って、やり方を真似てしまいましょう。

その素直さを発揮できるかどうかが、成功できるかどうかのカギだと思います。

 

どういう状態になっていたいか

将来の夢を語る時には、「○○がしたい!」と考えがちです。

しかし、そうした「DOイメージ」ではダメです。漠然としたイメージであれがしたい、これがしたいと考えるのをやめて、こういう自分になりたい、という具体的な「BEイメージ」を持ちましょう。

 

英語の勉強をしたい。

ではなく、

英語を使って人と話している自分のイメージを持つ。

 

本をたくさん読みたい。

ではなく、

ある分野の専門家になって出版したりテレビ出演する自分のイメージを持つ。

 

という考え方ですね。

また、具体的な数字を含めてイメージするとなお良いです。

1年後にはこういう人間になりたい。

→では、そのために今すぐにできることはなにか?

というように、将来の自己イメージから逆算して、今やるべきことに集中するモチベーションに繋がります。

 

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最初の三日間を続ける魔法の言葉

三日坊主、という言葉があるくらいですから、なにか新しいことを始める際に一番大変なのは、始めの三日間を続けることです。

 

新幹線や車が一番エネルギーを使うのは、最初に動き出そうとする時だ。

と、よく乗り物にも例えられますよね。

 

そんな最初の三日間は、挫折する可能性が最も強力な時期であり、辛く苦しい時期。これを乗り越える魔法の言葉が、本の中で紹介されています。それは、

 

「今は特別つらいけど、このあとはどんどんラクになっていく」

というフレーズ。

最初の三日間で辛いと思ったら、この言葉を唱えてみると良いでしょう。

 

習慣というのは一度身に付けば努力せずに続けることができるようになりますから、その状態へ持っていくまでが勝負。

挫けそうになったら、「明日はもっとラクになる」と自分を励ましてみましょう。

 

すべての時間にやることを設定する

時間というのは私たちにとって、大切な資産です。

お金を使うときにはしっかりと用途を決め、毎月の予算を立てて、家計簿をつけながら管理をする。同じことを時間という資産についても行ないましょう。

 

つまり、時間の用途を決め、時間目標をつくり、タイムログをつけるのです。

 

時間をなんとなく使うのではなく、目標達成までの道のりの全体像を把握して、それぞれの時間の用途を明確にしてやると、細かなタイムリミットがたくさんできてきます

と、本の中でもおすすめしている方法です。

 

多くの人は学校や仕事終わりに、なんとなく過ごしてしまっていると思います。なんとなく買い物に行ったり、テレビをつけたり、スマホをいじったり。そうした時間って、前もって予定していたわけじゃないですよね。

 

仕事が終わった30分買い物をしよう、とか帰ったら10分テレビを見よう、といった時間の用途を決めてはいないはず。今日からはそうした時間の用途を決めてみましょう。

 

例えば、帰宅して30分以内に風呂に入り、30分で食事を終わらせる。1時間は勉強をしたあとは、10時に寝ることを目標にしてそれまでの時間を書に費やす。

という風に、自分が持っている資産、時間の用途を細かく決めると、目標達成が楽になります。

 

できればそうした目標を紙に書き出し、実行できたかどうかを○×でチェックするとなお良いでしょう。どうしてもダラダラしてしまって自分との約束が守れない曜日を把握できたり、自分の体調管理にもつながります。

 

脳科学的に究極の勉強法

私は大学受験の時、いわゆる勉強法マニアでした。

さまざまな勉強法が書かれた本をAmazonで買いあさり、実際に勉強した時間よりも多くの時間を費やしてしまっていました。

 

書きなぐる勉強法、読むだけの勉強法、脳科学的におすすめの勉強法、体験談に基づく勉強法など。たくさんの方法を学びましたが、今の私が高校生の頃の私にアドバイスするとしたら、著者のこの一言で完結します。

 

脳科学の研究から明らかになっていることですが、脳が暗記するのは、それが重要か重要でないかとは関係なく、単純に「接触頻度」が高いものだといいます。

つまり、どれだけその知識にたくさん触れたか、ということですね。

 

小手先の暗記法や、エキセントリックな勉強法を試すのではなく、単に接触頻度を増やせ! と、私は昔の自分にアドバイスしたいです。

毎日寝る前に、最重要な100個の英単語に目を通せば、1年で365日接触することに鳴ります。365回接触すれば、自分の携帯電話番号や、家族の電話番号のように自然と覚えることができるようになるでしょう。

 

1日に3時間より3日間1時間ずつ。

参考書は1冊に絞って繰り返せ。

スキマ時間を使って常に単語帳で勉強しろ。

…といった勉強法も、本質的には同じことを言っていますよね。

 

「接触頻度を増やす」

私が今後なにか暗記する必要が生じたときにも、この勉強法を実践したいと思います。

 

1回目は手の運動

自分にとって目新しい分野の本や、難易度の高い本は、読むだけで疲れてしまいますよね。本を開いた途端に眠くなることもしばしば。通読したいという気持ちに反して、文字を目で追うのが辛くなってきます。

 

そんな時は、「1回目は手の運動」と考えるようにしましょう。

 

それよりも、一度ざっくりと読んで全体像をつかんだうえで2回目、3回目と読み直していくほうが内容が頭に入ります

うんうんと悩みながら、あちこちの章を行ったり来たりしながら本を読み進めるよりも、この方がずっとストレスも少ないでしょう。

 

とりあえず1回パラパラ進めて読み終えてみようとする勇気が、2回目、3回目の読書効率をグッと高めてくれます。

私のような完璧主義者だと、本の内容は最初から最後まで順番に、完璧に理解して追っていかないともったいない…なんて考えてしまいがちです。

そうしたやり方を捨てて、1回目は手の運動だと思って読み進められるかどうかが、難しい本や専門書をストレスなく読めるかどうかに影響します。

 

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おわりに

「努力が勝手に続いてしまう。」の中でも即効性の高そうな5つのノウハウをご紹介しました。本書ではもっとたくさんの努力を自動化する方法が紹介されていますが、私が特にグッときたのはこの5つです。

 

とりわけ「最初の3日間を続ける魔法の言葉」や「1回目は手の運動」と考える努力術は、なかなか行動を始められない完璧主義の私のような人にとってはドンピシャのアドバイスでした。

 

さっそく毎日の生活にも取り入れていきましょう。私の場合には、ひとまずブログを毎日書き続けることと、1日1冊本を読むことですかね…。がんばります!

 

出典