佐藤優さんの「お金に強くなる生き方」を読みました。ロシアで外交官として勤務し、2002年には逮捕・起訴された作家であり、非常に多読家として知られる著者の金銭感覚について学びます。
特に後半、4章と5章がおもしろかったです。佐藤優さんの政治に対する考え方に興味がなければ2章は飛ばし、1,3,4,5章を読むといいかも。投資やビジネスにある程度詳しければ、3章も特に目新しいことは書いてないので、飛ばしていいと思います。
以下で、私が特にグッときたポイントをまとめて感想を書きます。
目次
スウェーデンの働き方
面白いのは、スウェーデンの企業でもよく労働者を解雇しますが、高額な失業保険が下りるため、クビになった当の本人はそれほど気にしません。その間にじっくり別の会社を探すのです。
日本じゃ考えられない行動ですね。
日本でクビを宣告されたとしたら、まず思い浮かぶのはネガティブな考えですよね。「明日からどう生活したらいいんだろう」「妻や子どもにどう告げたものか」なんて思ってしまうのが普通だと思います。
少なくとも、「失業手当もらえるからいいか~」なんて楽観的にはなれません。自営業ならなおさらです。
しかし、スウェーデンには充実した社会保険があります。支給される金額そのものは日本の数倍…というわけにはいきませんが、受給できる期間は日本の2倍以上というデータもあります。(参考文献:日本はスウェーデンになるべきか)
社会保障が充実している国としてのイメージが合ったスウェーデンですが、失業保険についても手厚い保障が用意されているんだ、という気づきがありました。スウェーデンでなら、自分らしい生き方・働き方が実現しやすいだろうなと思いますね。
自分は病気と認める勇気
「リラックスするのにお金はいらない」
という見出しで始まる一節があります。佐藤優さんは、人間は誰だってストレスを解消したく思うもの。リラックスしたいと思うのも当然のことだと述べています。ですが、「ストレス発散のためだから」「たまにはリラックスも必要だから」という理由をこじつけて浪費することには批判的です。
自分は病気だと認識し、専門家の客観的な意見を聞いたほうが、はるかに改善する可能性が高くなります。ズルズルと依存症に引きづられて借金をし、取り返しがつかなくなってからでは遅いのです。
とのこと。
最近ではギャンブルやキャバクラ、スマホゲームに依存してしまい、家計を圧迫するほど浪費してしまう人が増えています。そうした自分の現状を甘く見ることなく、いち早く専門家の意見を聞くことが大切なんですね。
自分は病気だと認める勇気だと私は思います。
そんな私自身も、気づけばゲームに数時間費やしていることもよくあります。私の中では「時間を決めてやるゲームはOK」「なんとなく始めて没頭するゲームはNG」という線引きを作っています。
なので、やらなければいけないことがあるのにゲームにハマってしまった時は、自分に罰を与えたり、好きなお菓子をおあずけにするようにしています。縄跳び10分間やる、とか腕立て30回、といった罰ゲームですね。
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報酬はその場で払うな
今の私にとっては全く必要ない知識なんだよな、と思いつつ、思わず声を上げて「なるほど!」と言ってしまったのがこの部分です。
一番いい報酬の支払い方は、情報を持ってきたその場ではお金を払わないこと。そして、冠婚葬祭や家族の病気などでその人がお金が入り用になった時、「これを使ってくれ」と、ある程度まとまったお金を渡します。あくまで仕事とは直接リンクしない形で渡すのがポイントです。
なるほど~。
仕事とは関係のない場所で、相手のピンチを救う形で報酬を支払う。プライベートな場面で大きな信頼を築ける方法ということですね。なんだか最近で一番役に立ちそうな知識に出会えた気がしますが、このノウハウの使い全く思い浮かびません。笑
あえて私たちでも応用しようとしてみると、どうなるでしょうか?
ほとんど面識のない外注のライターさんやデザイナーさんに、このテクニックを応用するのは難しいでしょう。使うとすれば、ある程度仲良くなった外注さんに対して、割安な金額で報酬を支払っておく。
そしてその外注さんが仕事がなくて困っている時、起業資金を集めている時といったピンチの場面で、浮かせた報酬分をポンと出してあげる。…みたいなイメージでしょうか。
うまく使えれば、一気に大きな信頼を獲得できる恐ろしいテクニックのような気がしてなりません。
物欲の抑え方
私たちはなんとなくお金を使ってしまいがちです。そのお金を使って、その物やサービスを買うことで、自分にとってどんな利益があるのか、なんて普段考えて生活するのは難しいですよね。
本来なら、このように自分にとっての利益を考えられることが理想ですが、それでも衝動的に物が欲しくなることは誰にでもあります。
とはいえ、衝動的に何かが欲しくなることは避けられません。そうしたときにおすすめなのが、それが1万円以上する場合は小さなホワイトボードなどにその商品を書き出し、目につくところに置いておくこと。それでしばらく様子を見るのです。1ヶ月経っても欲しいというものなら購入する。
付箋や手帳の隙間でもいいと思います。
人間は不思議なもので、紙に書き出すと欲求が小さくなるという習性を持っています。例えば、ゲームをしたい、映画を見たい、漫画を読みたいといった欲求を、「あとで○○をしたい!」という書き方で付箋にメモしておくのです。
その付箋をパソコンの画面の横に貼っておくと、目の前のことに集中できるようになり、パフォーマンスが上がるのです。しかも休憩時間や就業後にそうした欲求を解消しようとすると、いつの間にか欲求を感じなくなっています。
つまり、書き出すことで欲求が消費されるんです。やるべきことがあるのに、他にやりたい、と思うようなことがあったらどんどん紙に書き出していくといいですよ。
物欲に関しては、私はAmazonのほしい物リストを活用しています。私の最近の物欲は、少し高価な書籍やガジェット類なので、Amazonでの衝動買いが非常に多かったのですが、一旦ほしい物リストに入れて冷却期間を置くと、「なんでこれ欲しかったんだけ?」と思うようになります。
他にも、欲しい本をほしい物リストにまとめておいて、リアル書店でそのリストを見ながら本を探し、中身を読んでみて買うかどうか判断する、といった使い方もおすすめです。
ちなみに、私のほしい物リストはこちら。
→https://www.amazon.co.jp/gp/registry/wishlist/2821068260LVS
つい先日、9月18日が誕生日だったのでプレゼントが貰えたら喜びます!!!
お金はすべての問題の根本である
あらゆる人生の問題に関して、お金は必ずその原因のひとつにはなっている。だからといって、お金があればすべてが解決するわけではない。これが私の中での結論です。
佐藤優さんはこう述べています。
この考え方を聞くと、「すべての悩みは対人関係についての悩みである」としたアドラー心理学を思い出しますね。佐藤優さんは悩みではなく、「人生の問題」についての意見ですが、なるほどそう考えると少し気が楽になります。
貧困。事故、離婚、死別、リストラ、災害…。
たしかにこうした問題の原因のひとつはお金である、というのは正しそうです。だからこそ、私たちはお金では買えないものを大切にしなければいけないんですよね。
愛、友情、家族、経験、若さ、健康など。
お金では得られないものを大切にすることこそ、人生を豊かにするためのコツなんだと気づきました。
おわりに
佐藤優さんの「お金に強くなる生き方」 についてご紹介しました。
スウェーデンの会社員の働き方や、外交官ならではの報酬の与え方については、本のタイトルとは少し関係ない内容かもしれませんが、非常におもしろかったです。
私はお酒やタバコはたしなみませんので、そういった依存症になることはありませんが、ゲームが大好きな人間です。フリーランスとして働こうとしている手前、いくら時間が豊富にあるからってゲームばかりしてはいられません。
…とは思っているものの、やはり気づいたらスマホでゲームを立ち上げているなんてことも。ゲーム依存症かもしれませんね。ゲーム依存症だと認める勇気です。
そこからどう対処していくか、他人の力も借りて依存症から脱するかを考えましょう。
もっと詳しく読みたい方は以下からどうぞ。Kindle版もあってさくっと読める本です。
出典