ブログやクラウドワークでのライティングの仕事など。執筆に役立つちょっとしたテクニックをご紹介します。
クラウドワークスなどでライティングの仕事を受けたことのある人なら、「1000文字以上」という条件なのに900文字前後で筆が止まってしまった…。みたいな経験もあるかと思います。
そんなとき、たとえば余分な文章を付け加えて文字数稼ぎをすると、文全体が冗長になってしまったり、クライアントから「この段落は丸々書き換えでお願いします」なんていわれることも。
今回はそんな場合に使える3つのテクニックをご紹介します。
WEBライティングの検品・編集の経験がある私が、検品・編集の際に「こうすればいいのに…」と思うことばかりをまとめました。文章の質をアップさせることにも繋がるので、きっと役に立つと思いますよ。
目次
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1.漢字をひらく
パソコンを使って執筆していると、手書きでは書けない文字でもつい変換して漢字にしてしまいます。代表的なものでいえば、以下の3つ。
・事
〜という事です。〜なんて事もあります。
・様
〜その様な考え。〜してしまう様です。
・為
その為〜。〜する為に。
こうした漢字をついつい使ってしまう方も多いのではないでしょうか?こうした漢字は、まず「ひら」きましょう。ひらがなにしましょうということですね。
日本語における漢字(熟語)は、それだけで注目を引き、意味を強調させる役割を持ちます。
たとえば、この3つの文章を見比べてみてください。
・こうした漢字をついついつかってしまうかたもおおいのではないでしょうか?
・こうしたかんじをついつい使ってしまうかたもおおいのではないでしょうか?
・こうしたかんじをついついつかってしまう方も多いのではないでしょうか?
どれも読みづらい文章ではありますが、比べてみると1つ目の文章では「漢字」、2つ目では「使って」、3つ目では「方も多い」が目を引きますよね。太字にするなど文字の装飾を行なわなくても、それぞれの漢字の意味が強調されることがわかります。
すなわち、その漢字が文章の中でそれほど意味を持たず、強調する必要もなく、むしろ周りの漢字を際立たせたほうがいい場合は、ひらいて表記するべきなのです。
これらの事・様・為は、ひらくことで1文字→2文字に増えます。つい多用してしまう漢字なので、人によってはかなりの文字数アップに繋がるでしょう。
他にも、「様々」「色々」「沢山」「〜する時」なんて漢字も、基本的にひらくと良いでしょう。文字数を稼ぐことにも繋がりますし、漢字とひらがなのバランスがとれた読みやすい文章になります。
2.文を区切る
読みやすい文章の条件として、「文が短い」ことも挙げられます。目安としては、1文に「、(読点)」は1つ以下、文字数は30字前後になるよう心がけると良いでしょう。
ですがこれも、意外と守れていない方が多いです。WEBライティングの世界では、長くて読点が少なく、読みにくい文章はNGです。息継ぎをせずに25m泳ぐような息苦しさを、読者に与えてしまいます。
たとえば、以下のような文章があったとします。
このような読みにくい文章は読者に悪印象を与えてしまうだけでなく文字数も稼げなくなり悪いことづくめなので今すぐに避けるよう心がけましょう。(68文字)
句読点を入れ、文を分けてみましょう。
このような読みにくい文章は、読者に悪印象を与えてしまいます。さらに文字数も稼げなくなり悪いことづくめなので、今すぐに避けるよう心がけましょう。(71文字)
こうすると、文章は格段に読みやすくなります。また、文字数も稼ぐことができて一石二鳥ですね。「これは2つの文に分けられないか」「読点が少なくて息苦しくなっていないか」を意識して執筆してみましょう。
3.やさしい言葉に言い換える
基本的にはどんな文章であっても、難しい言い回しは避けるべきです。難解な言葉を使うことで、プライドが保たれ、デキる大人になったような充実感(錯覚)は得られるかもしれません。
その反面、読みやすさと読者、文章に対する評価も失うことになります。たくさんの語彙を身につけて、難しい言い回しや四字熟語を使いたくなったとしても、できるだけやさしい言葉に言い換えることを心がけましょう。
たとえば、「虚心坦懐に先生の話を聞きました。」(16文字)と書かれても、多くの読者は「虚心坦懐」の意味がわからないはず。後に続く文章でで虚心坦懐の意味を説明するか、はじめから以下のようにすると良いでしょう。
「先入観なく、素直な姿勢で先生の話を聞きました。」(23文字)
わかりやすさも文字数も、グッと上がりましたね。
「読みやすさ」と「文字数」を充実させよう
検品・編集作業の経験から、WEBライティングにありがちなミスを踏まえて文章術を3つご紹介しました。
どれもすぐに取り入れられるテクニックですし、簡単に文字数を稼ぐことができます。しかも文章の読みやすさをアップしてくれるので、使ってみない手はないですよね。
とはいえ私もまだまだひよっこライターです。これからも文章の読みやすさを心がけて、ブログやクラウドワークスの仕事などに励みたいと思います。
最後に、高校の頃から私の愛読書でもある『日本語の作文技術』を紹介して終わります。文章術の古典として、すべての書き手が読むべき本です。まだ読んだことのない方はぜひどうぞ。