姿勢を正し、呼吸に意識を向ける「瞑想」という取り組みをご存知でしょうか。
最近は本やテレビなどのメディアでも取り上げられることが多くなり、耳にしたことがある人も多いはず。
今回は瞑想初心者の方&毎日続けられず挫折した方向けに、瞑想のやり方と効果、続け方を紹介します。
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1.瞑想のやり方
(画像は1分間瞑想法より)
さっそく瞑想の基本的なやり方について説明します。
ざっくりいえば、瞑想に必要なのは次の4ステップだけ。
- 姿勢を正す
- 呼吸に集中する
- 雑念が浮かんできたら、呼吸に意識を戻す
- 2〜3を繰り返す
これだけであります。
とにかく大事なのは、「呼吸に意識を集中する」こと。
最初はさまざまな雑念が浮かんでくると思いますが、「いかんいかん」と呼吸に意識を戻してください。
慣れるまでは、数を数えながら呼吸するのもおすすめ。
「1、2、3、4、5…」と数えながら息を吸って、「1、2、3、4、5…」と数えながら息を吐いてみます。
ぶっちゃけ姿勢が崩れても、息が長く続かなくたってOK。
5秒かけて吸って5秒かけて吐く…みたいなルールも本によっては紹介されていますが、呼吸は自分が心地よいペースで全然問題ありません。
気持ちゆっくりめを意識するとよいでしょう。
「あれやらなきゃ」「これについてGoogle検索したい」なんて雑念が起こってきたとしても、「呼吸に意識を集中する」ことを続けましょう。
2.瞑想の効果
そうやって呼吸に意識を集中していくと、なんだか気持ちよくなる瞬間が訪れます。
眠りに落ちる前のまどろみに近い感覚でしょうか。
ホントは寝ちゃダメなんですが、気持ちよければそのまま昼寝しちゃっても構いませんので。笑
次からは、瞑想によって得られる5つの効果を見ていきましょう。
集中力アップ
瞑想は呼吸だけに意識を集中するトレーニングです。
そんなトレーニングを積み重ねることで、1つのこと(呼吸)に集中する力が増していきます。
さらに、瞑想を続けることで前頭前皮質が活発化することもわかっています。*1
この前頭前皮質はおでこの位置にある脳で、理性的な判断を下すための領域であり、意志力や集中力の源となる場所。
集中力のトレーニングになるとともに、集中しやすい脳になっていくというわけであります。
自己コントロール力が身につく
瞑想を始めると、自分の感情を客観的に捉えることができるようになります。
「ああ、今自分怒りを感じているな」「今のお客さんの一言でストレスを感じているな」みたいな感じですね。
そうやって自分の心を少し引いた視点で観察できるようになると、むやみに怒りの感情をあらわにしたり、ストレスに対して過剰な反応をしたりすることも少なくなります。
その結果、自分をもっと好きになり自信がついてくるというわけです。
決して感情を抑制しているというわけではなく、感情とうまく付き合えるようになるというイメージ。
感情とうまく付き合えるようになれば、感情に自分を乗っ取られることもなくなり、理性の頭で行動できるようになるってことですな。
免疫機能の向上
正直ホント?って思うメリットなんですが、体の免疫機能が向上するという効果も期待できます。
「病は気から」って言葉を信じるなら、瞑想は「気」を整える行為であると考えると、直感的に受け入れやすくなるかもしれません。
そのメカニズムは、瞑想によって自律神経のバランスが整って、心も体も安定するおかげであると理解しております。
瞑想をしていると、特に手足の先がポカポカしてくる現象が起こります。
もしかすると瞑想で体温が上がり、そのおかげでウイルスへの耐性ができるのかも…と考えたりもしますね。
瞑想をすることで、風邪を引きにくくなる効果も期待できるんだとか。
ストレス低減
脳のすべての疲れやストレスは、過去や未来から生まれる。すでに終わったことを気に病んでいたり、これから起きることを不安に思っていたり、とにかく心がいまここにない。この状態が慢性化することで心が疲弊していくんじゃ。
(世界のエリートがやっている 最高の休息法より)
「今ここ」で呼吸をすることに意識を向ける瞑想では、過去や未来のことを考えることはありません。
「何もしないこと」「何も考えないこと」が瞑想の本質ですので。
だから、必然的にストレスが生まれることもないってことですね。
ストレスを感じたとき、少し落ち着いて深呼吸したら喉のつっかえが取れた…なんて経験は、誰でも1度はあるんじゃないかと思います。
カンタンにいえば、瞑想とはその深呼吸のハイグレード版。
瞑想を続ければ続けるだけ、ストレスを軽減する効果は大きくなります。
睡眠の質が改善
これもストレスと自律神経がキーワードであります。
慢性的なストレス状態にある人の場合、自律神経が乱れて眠りにくくなったり、眠りが浅くなったりすることがわかっています。
そこで瞑想によってストレスを低減し、自律神経のバランスを整えることで、よい眠りを取り戻すことができるというわけです。
ちなみに、瞑想が睡眠の代わりになるんじゃねっていう説もあったりします。
というのは、まず人の睡眠時、脳の中では脳脊髄液という洗浄液が、アミロイドβタンパク質という脳の疲労物質を洗い流すという現象が起こっています。
この脳脊髄液が、瞑想状態の人の脳にも発生するという話があるんです。
睡眠の役割=脳の洗浄って考えれば、瞑想が寝ることの代替となるんじゃないかって考え方もできるよねってことですな。
実際に、瞑想を続けると睡眠時間を圧縮できるっていう副次的なメリットが得られることもあるそう。
睡眠時間を短くしたいと思っている方は、瞑想の習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
すぐには効果が現れないと思いますが、1日20分程度の瞑想を1ヶ月も続けられれば、睡眠の質に大きな変化が出てくるんじゃないかと。
3.よくある質問
最後に、瞑想に関してよくある質問コーナーを設けました。
ここで取り上げている質問は、私が実際に瞑想をおこなったり、瞑想のやり方について調べているときに出てきた疑問点です。
まだ瞑想のやり方やメリットがしっくりこないって方は、こちらも参考にどうぞ。
瞑想を続けられません。コツはありますか?
1分だけでもいいから続けてみること。
それが難しければ、30秒でもOKです。
大事なのは1週間に1回10分や30分の瞑想をおこなうよりも、3分でも1分でもいいから毎日瞑想に取り組むことです。
そのために、毎日続けられるようさまざまな仕組みを取り入れてみるのがおすすめ。
たとえば、
- 始めるまでのハードルを低くする(1日1分でOKというルールにする。まずは姿勢は気にしないことにする。など)
- 「いつ」「どこで」瞑想するかを固定する(「夜寝る前」に「ベッドに座って」瞑想をする。など)
- 瞑想したくなる環境を整える(瞑想専用に気に入ったキッチンタイマーを買ってみる。など)
など。こうしたコツを取り入れながら、毎日瞑想ができるよう取り組みましょう。
あくまでも「完了」主義でいきましょう。「完璧」主義は手放すように!
正座しないといけないの?
瞑想をする際に姿勢を正す理由は、空気の流れ道(気道)が開き、スムーズに呼吸ができるようにするためです。
なので、自分が息苦しさを感じないのであれば、どんな姿勢でも構わない…と私は考えています。
ぶっちゃけ私は【瞑想】正座やあぐらではなく「ソファにゆったり」な姿勢がいいかもの記事に書いた通り、IKEAのソファにゆったりと座って瞑想をすることが多いですし。笑
「姿勢をどうすればいいか」という考えにとらわれて瞑想を始める勇気が出ないのなら、もう寝た状態で呼吸に集中したらいいんじゃないでしょうか。
「寝ながら瞑想」っていう言葉もあるくらいなんで。
「マインドフルネス」と「瞑想」ってなにが違うの?
これの答えとしては、
「マインドフルネスの方が大きな概念である。」
「マインドフルネスな状態になるための1つの手段が瞑想である。」
ということになるでしょう。
「マインドフルネス」とは、ジョン・カバットジンの定義によると「瞬間、瞬間の体験に対して、今この瞬間に、判断しないで、意図的に注意を払うことによって実現される気づき」のことだとされます。
つまり、過去を後悔したり未来を妄想したりするんじゃなく、今ここに生きていることを意識するってことでしょうか。難しいっすね。
瞑想を実践すれば、自然とマインドフルネスの状態になっていく…みたいなイメージで考えておけばOKかと。
無の境地を目指さないといけないの?
マインドフルネスの目的は「気づく」ことです。
「気づき」が連続することで「無」になることはありますが、「無」になることが目的ではありません。雑念が湧いても、それに気づいて、再び集中すればいいのです。
(1分間瞑想法より)
ってなわけで、まったくもって無の境地を目指す必要はありません。
私たちが目指すのは、呼吸に100%の意識を集中することだけです。
その意味では、瞑想っていうよりも「呼吸集中法」みたいなネーミングにした方がわかりやすいかもしれませんね。
まとめ
- 瞑想は意外とカンタン!今すぐ1分間の瞑想をやってみよう
- 瞑想に取り組むと、集中力アップや睡眠の質改善などのメリットが
- 難しく考えず、もっとカジュアルな取り組みとして瞑想してみよう
以上、「【瞑想入門】呼吸に意識を向けて脳を大きくする「マインドフルネス」の実践」という記事でした。
瞑想っていうと厳しい修行ってイメージや、怪しい宗教の行動っていうイメージがあって、なかなかとっつきにくい印象があります。
私も最初はそうでした。
しかし、瞑想について学んでいくにつれ「科学的な根拠もあるんだ、すごい!」という発見があったり、自分で瞑想を実践していくにつれ「なんだか最近心が軽い気がする!」みたいな実感が得られたりしております。
筋トレや運動といった健康法とは違い、瞑想はいつでもどこでもできる取り組みです。
しかも1日のうち数分の時間をあてればいいだけなんで、非常にコストパフォーマンスに優れたライフハックともいえるでしょう。
瞑想が初めての人も、挫折してしまった人も、毎日1分から瞑想をスタートしてみましょう。
*1:なおマインドフルネスの第一人者、ジョン・カバットジンの研究によると、彼が提唱するマインドフルネス・ストレス低減法を8週間続けたところ、被験者の大脳皮質の厚みが増したという結果があります。ちなみに大脳皮質とは、前頭前皮質を含めた脳全体のこととイメージすればよいでしょう。