『習慣の力』で有名なチャールズ・デュヒッグさんの著書に『あなたの生産性を上げる8つのアイディア』という本があります。
今回は同書の1章から、「やる気」を引き出すためのライフハックを紹介します。
キーワードとなるのは【自己決定】であります。
SPONSER LINK
1.人にはコントロール欲求がある
「コントロールしたいという欲求は生物学的要請である」と、コロンビア大学の心理学者のグループは2010年に「認知科学の諸潮流」誌に書いている。
自分が自分をコントロールしていると思うと、人はより懸命に働き、自分で自分を鼓舞する。
人には自分の周囲をコントロールしたいって欲求があります。
小さな子どもには、身の回りのこと全部を「自分でやる!」とこだわる時期がありますよ。
これも、自分でコントロールしたいって欲求の表れなんですな。
2.強制された作業はやる気が出ない
自分でコントロールできず、周りから強制されたタスクってのは、やる気が出なくて当然。
強制的にやらされる夏休みの宿題にはやる気が出ない…ってのも同じ理由です。
しかし、夏休みの宿題を強制されたものではなく、自分で選択した作業だと脳が認識すれば、自然とやる気が出てくるはずであります。
たとえば、
- 算数のドリル→自由研究→読書感想文の順番でやる…と優先順位を決め、
- リビングでやるか自分の部屋でやるかを決め、
- それぞれ何月何日にやるかを決める
こうした小さな工夫で、課題に取り組みやすくなります。
大事なのは「自分でコントロールしている」っていう実感であり、「先生にいわれたから仕方なくやる」っていう考えを手放すこと。
そのために「自分で決める」機会を増やそうってことですな。
3.「選択」がやる気をもたらす
やる気を引き出す第一歩は、選択する機会を与えることだ。それによって自立と自己決定の感覚が生まれる。
実験によれば、命令されたのではなく自分で選んだものなら、人はどんなにつまらない仕事でも進んでやる傾向が見られる。
ということで、やる気がでなくて困っているときには、ごく一部でもいいから「選択」の機会を設けるのがおすすめ。
老人ホームでおこなわれた研究によると、自分で食事のメニューを変えたり、家具の配置を自由に決めてしまうような、ちょっと「自分勝手」な人のほうが、スタッフに従順な人よりも長生きできたってデータもあります。
人は周囲の環境を自分でコントロールできるって実感が得られると、自然とやる気になってパワーがみなぎってくるのであります。
とはいえ、学校の宿題や職場での仕事にかんして「これはやる。これはやらない」なんて選択はできないのが普通です。
誰にでもできる「選択」といえば、「いつやるか」「どこでやるか」「どんな順番でやるか」の3つでしょう。
やらなければいけないことが出てきたら、「いつ・どこで・どのように」やるかを決めることで、自分でコントロールしている実感が得られ、やる気も出てくるはずです。
まとめ
- 人は周囲をコントロールしたがる欲がある
- 自分でコントロールできると寿命が伸び、やる気も高まる
- 「いつ・どこで・どのように」やるかを決めて、勉強や仕事のやる気を高めよう
以上、『『習慣の力』著者に学ぶ「やる気」を出すためのライフハック』という記事でした。
自己決定がやる気を引き出す。
ちょっと意外な因果関係ですが、たしかにやらされる仕事よりも、自分がやりたいと思った作業のほうが楽しく取り組めますよね。
そう考えると、「好きを仕事に」ではなく「(働き方や職場を)選択できる仕事を」というコンセプトで職探しをしたほうがいいのかもしれません。
自分で仕事を選べる自営業やフリーランスの幸福度が高いのも、この自己決定ができるからなのでしょう。