Macと比べてしまうと、トラックパッドの精度の低さに愕然としてしまうWindows。そんなWindowsにも、ポインター操作に役立つ長所があります。それが「タッチスクリーン対応」であること。
今回はWindowsの高性能なタッチスクリーンを活かし、まるでiPadを使っているかのようなマルチタスク用ジェスチャを再現する方法を紹介します。
- 1.意外に高性能なWindowsのタッチスクリーン
- 2.標準ではタッチスクリーンは役立たず
- 3.『TouchMe Gesture』で好きなジェスチャを割り当てられる
- 4.iPadのようなマルチタスク用ジェスチャを導入
- 5.私が設定しているおすすめジェスチャ
- まとめ
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1.意外に高性能なWindowsのタッチスクリーン
トラックパッド比べてしまうと、 WindowsはMacに比べてまったく使い物にならないほど使い勝手がよくありません。WindowsPCを外に持ち出す際には、必ず外付けのマウスが必要になるほどです。
しかしそんなWindowsにも優れているところがあります。その1つが「タッチスクリーンに対応」していること。さらに、タッチスクリーンの精度が極めて高いことです。
私が使っている、日本HPのSpectre x360というモデルには、10ポイントマルチタッチ対応のタッチスクリーンが搭載されています。一度に10本の指で画面に触れても、すべての指がタッチとして認識されるということですね。
iPad にも同様に、10ポイント前後のマルチタッチに対応しているらしい。私が試した感じでは、 Windows のタッチスクリーンも iPad に負けず劣らず高精度で使いやすいと思いました。
2.標準ではタッチスクリーンは役立たず
ところが、標準ではこの高精度のタッチスクリーンもあまり役には立ちません。というのも、スクリーンによるジェスチャーにほとんど対応していないからです。たとえば、iPadで使えるマルチタスク用ジェスチャ「4~5本指でピンチしてホーム画面に戻る」なんて動作は、Windowsでは使えません。
1本指で左右にスワイプすることで、ブラウザで戻る・進むの操作ができるのは大変便利です。また、 画面左端から右にスワイプすれば「タスクビュー」を呼び出すことができたり、反対に画面右端から左にスワイプすることで「アクションセンター」を呼び出すことができるのも悪くありません。
ですが、願わくばiPadのように2~5本指での操作も実装してほしいところ。さらなるWindowsUpdateを待つしかありません。
3.『TouchMe Gesture』で好きなジェスチャを割り当てられる
そこで私が見つけたのが、Microsoftストアで配信されている『TouchMe Gesture』というアプリです。これは、タッチスクリーンに対応したWindowsの、2~5本指でのジェスチャに好きなアクションを登録できるというもの。
レビューでは「Mac版BTT(BetterTouchTool)だよ」なんて書き込みがありますが、まさにその通り。Macのトラックパッドに好きなジェスチャを登録できるBTTを、Windowsのタッチスクリーン向けに流用したようなイメージのアプリになっています。
最初は32日間の試用期間がありますが、それ以降は約500円の課金が必要となります。とはいえ、 iPad のようなマルチタスク用ジェスチャを実現できるのですから、決して高い買い物ではないでしょう。
4.iPadのようなマルチタスク用ジェスチャを導入
さっそくTouchMe Gestureの使い方を紹介していきます。まずはMicrosoftストアよりアプリをインストール。起動直後は強制的に英語での解説動画が流れます。初心者向けのチュートリアルですね。
これはスキップできないっぽいんですが、英語で解説されても理解できませんので、いったんアプリを×閉じして終了させて、再起動させるのがおすすめです。2回目の起動ではチュートリアル動画は流れないことを確認しました。
それから、 デフォルトでいくつかのタッチスクリーン用ジェスチャが登録されていますが、あまり多くのジェスチャが登録されていると使いにくくなってしまうので、いったん全部削除してしまうのがおすすめ。
んで、iPadと同じジェスチャを登録するため、赤線で囲ったような動作を登録してみましょう。
- 4本指で上にスワイプ:タスクビューを表示
- 4本指で左にスワイプ:右の仮想デスクトップに切り替え (※)
- 4本指で右にスワイプ:左の仮想デスクトップに切り替え (※)
- 4本指または5本指でピンチイン:デスクトップを表示
という設定例です。(※)の部分は、アプリを切り替える[Alt + Tab]と[Alt + Shift + Tab]にそれぞれ入れ替えてもいいかもしれません。これでiPadっぽいマルチタスク用ジェスチャをWindowsのタッチスクリーンでも再現できました。
なお、ジェスチャを設定後は『TouchMe Gesture Engine』というタスクバー常駐型のアプリを別途インストールする必要があります。これを導入しないと、TouchMe Gestureだけでは登録した動作は機能しませんのでご注意を。
5.私が設定しているおすすめジェスチャ
ついでに、先の画像の上部分に入っていた、私が使っているおすすめジェスチャもご紹介します。
この設定例の上4つは、
- 3本指で下にスワイプ:タブを閉じる
- 2本指で左にスワイプ:前のタブを表示
- 2本指で右にスワイプ:次のタブを表示
- 3本指で上にスワイプ:新規タブを開く
となっています。主にChromeでのブラウジングを快適にするための設定ですね。Chromeでタブ移動するためには、CtrlとTabとShiftキーを使わないといけないんですが、これを同時押しするためには結構ムリな動きをしないといけません。
それだと手が疲れてしまいますので、タッチスクリーンでブラウジングできるよう工夫してみました。
まとめ
というわけで、Windowsのタッチスクリーンジェスチャを快適にしてくれるアプリ『TouchMe Gesture』を紹介してきました。
これを使えばすんごく便利にWindowsを操作できるようになるんですが、少しだけ欠点もあります。それは、2~5本指のジェスチャがスクロールやズームの操作だと誤って認識されてしまうということ。
私の例で言えば、2本指で左にスワイプして、左のタブを表示しようとしたのに、実際にはページがズームされてしまった…みたいな感じですね。これはもうどうしようもないところですんで、スマホのように「撫でる」スワイプよりは、少し力を入れて「擦る」スワイプを意識することで、感度を調節して防いでいます。
ほかにも「こんなジェスチャを登録するといいよ」なんておすすめ設定がありましたら、ぜひ教えてください!