睡眠不足の人に八つ当たりされた…。あるいは、睡眠不足のときについイライラしてしまった…なんて経験はだれにでもあるでしょう。どうやら睡眠不足は、人を不機嫌にさせてしまうようです。
だったら、なぜ睡眠不足で人は不機嫌になってしまうんでしょうか?カリフォルニア大学バークレー校、マシュー・ウォーカーの研究を紹介します。
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1.睡眠不足だと不機嫌になってしまう私たち
いかにも寝不足な感じが見て取れる友人に声をかけると、高い確率でイライラをぶつけられることになります。いくら普段温厚な性格だったとしても、睡眠不足はそれだけで人を不機嫌に変えてしまいます。
仕事や勉強のほか、過度なプレッシャーがあるとどうしても寝不足になってしまい、不機嫌さにつながるのはよくあることです。
実際に私も、規則正しく睡眠をとっているときに比べて、寝不足な状態にあるときは子どもの騒ぎ声がうっとうしく感じたり、赤ちゃんをあやすママさんにイライラを感じてしまうこともあります。
ごく親しい人間とたまにケンカしてしまうときがありますが、そういったときには大抵自分か相手のどちらかが睡眠不足だったりもします。イライラをぶつけてスッキリして、疲れたので昼寝をしてみると、「さっきはゴメン」なんて謝るのも日常茶飯事です。
2.「扁桃体」が過剰反応してしまうことが原因
ではなぜ、人間は寝不足だと不機嫌になってしまうんでしょうか。その原因をカリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカーって方が解明しています。いわく、
三五時間不眠の状態にある学生たちの脳のfMRI画像を分析したところ、正常な睡眠を取っている人びとに比べて、ネガティブ(敵対的・悲観的)な刺激に対する偏桃体の反応が六〇%も高まることがわかった。
つまり、寝不足だと扁桃体がネガティブな出来事に対して過剰反応してしまうってことですね。扁桃体ってのは、脳の一番内側の原始的な部分で、生存本能とか感情といった人間らしい性質を司っているとされています。
もしかすると、深夜になるとネガティブな考えに襲われてしまい、朝起きると何事もなかったかのようにポジティブになれるのも、この睡眠不足による扁桃体の働きが原因なのかもしれません。
3.睡眠不足でも不機嫌にならないウルトラCとは
不機嫌になってしまうのを防ぐためには、睡眠をしっかりとる必要があります。とはいえ仕事やプレッシャーがあって長時間睡眠を確保できないこともあるでしょう。
そんなときに扁桃体の働きを鎮め、ネガティブな反応に過剰反応しないようにする秘策があります。それは、「昼寝」です。
睡眠不足の状態では、不機嫌になりやすいことはすでに述べた。ところがありがたいことに、九〇分の仮眠を取ると、その状態をリセットできる。昼寝は、脳の嫌なことに対する過剰反応を鎮めるだけでなく、善いことに対する反応を高めてくれる。
たった90分の仮眠をとるだけで、ネガティブな出来事への過剰反応を防ぎ、さらにポジティブなことへの反応を高める…、つまり前向きになれるってわけです。
いくら会社で働いていようとも、昼休みの休憩中などに10〜30分の仮眠をとることは難しくないはず。「今日は寝不足だな。ちょっと不機嫌になっているな」と思ったら、早めに昼寝をとって扁桃体の働きを抑制できるようにしたいですね。
まとめ
以上、睡眠不足だと不機嫌になってしまう理由について紹介してきました。文中の引用は、『残酷すぎる成功法則』が出典です。
睡眠不足だと扁桃体が過剰反応してしまうって原理を活かして、
- 話し合いは夜ではなく午前中に
- イライラを感じたら寝不足を疑ってみる
- 昼寝で不機嫌を解消する
なんて手を打ってみるといいかもしれません。扁桃体の働きに支配されず、不機嫌とは無縁の生活を送りたいですね。