半年ほど前にEvernoteを見限って以来、私はノートやメモを取るアプリとしてGoogleシリーズを使ってきました。決して使いやすくはないものの、特に不満を抱くことはなかったんです。
しかし、ふとしたきっかけで「Standard Notes」というノートサービスの存在を知りました。実際に使ってみると、めちゃくちゃ使い勝手がよくて安心して使えるので、最終的なノート・メモの保管場所の有力候補となっております。今回はこのStandard Notesのレビューをば。
- 1.Standard Notesとは
- 2.セキュリティと長寿命を重視。ゆえにシンプル
- 3.システム/ブラウザ依存のフォント
- 4.有料プラン「Extended」
- 5.EvernoteやGoogleKeepからの移行ツールもバッチリ
- まとめ
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1.Standard Notesとは
どうやら日本ではほとんどユーザーがいないみたいなんですが、海外では人気らしいノートアプリに「Standard Notes」というものがあると先日初めて知りました。
プライバシー重視と長寿命をポリシーに掲げたノートアプリで、Evernoteなんかとは違って機能を最小限にしたシンプルなつくりが特徴の1つ。
扱えるのはプレーンテキストのみで、リッチテキストを扱ったり画像を添付したりすることは、原則できません。ただし、有料のExtensions(拡張機能)を使うことで、MarkDownエディタだったり、リッチテキストを扱えるエディタを使うことは可能です。
私が気に入っているのは、フォントがブラウザやシステム依存であるということ。つまり、Standard Notesのノート内のフォントで使用されるのは、ブラウザの設定やMac・Windowsのシステム設定が反映されるってことですね。
Evernoteからの乗り換えユーザーをばっちりフォローアップしており、移行ツールもしっかり用意されています。
見た目はMacのメモアプリにすごくよく似ていて、まさに上位互換って感じ。Macのメモアプリはリッチテキストなんで使いづらいですが、Standard Notesは完全にプレーンテキストですんで、ずっと使いやすく感じることでしょう。
2.セキュリティと長寿命を重視。ゆえにシンプル
Standard Notesでは、「100% Private.」「Long-lasting」の2つが基本方針となっています。つまりセキュリティ重視かつ長寿命をウリにしているわけです。
実際「End to End」のセキュリティを実装しているそうで、WEBブラウザやアプリからサーバーに送る際に暗号化し、さらにサーバー上でも暗号化されている…ってイメージでしょうか。情報漏洩に対する安全性は高そうです。
後述する有料プラン「Extended」を使えば、認証アプリなどを使った2ファクタ認証を設定することも可能。私は1Passwordでワンタイムパスワードを管理するようにしております。
Standard Notesは、極限まで機能を減らしたシンプルさも特徴の1つです。これには理由があって、「高機能だと運営にコストがかかる」って考えがあるんだとか。運営コストがかかると、結果寿命の短縮につながり、サービス終了してしまう可能性が高くなるわけです。
だから、無料版ではめちゃくちゃシンプルな機能しか使えません。それでも十分だと個人的には思いますが、DropboxやGoogleドライブに自動保存する機能も有料プランに含まれているんで、より安心感を求めるなら追加料金を払ってみてもいいでしょう。
ただ、公式サイトのドメインが.orgになっていることからわかる通り、企業ではなく非営利団体がStandard Notesを運営しています。セキュリティ重視でもありますんで、アカウントに対するサポートを期待するのは現実的ではありません。
もしアカウントのパスワードを忘れてしまうと、ノートを復旧させることはできずアカウントを初期化するしかなくなります。サポートに連絡を取ってもムダですんで、アカウントの管理は慎重にしたいところ。
3.システム/ブラウザ依存のフォント
個人的に特に高評価なのが、フォントがブラウザやシステム依存だってことです。英語圏でしか使えないようなよくわからないフォントを設定されるわけではなく、自分でフォントを設定しなければいけないわけでもありません。
たとえばMac向けアプリならヒラギノ系が指定されますし、Windowsならおそらくメイリオ。Mac上のChromeでは、固定幅フォントのOsakaが指定されます。
Osakaのすっきりしたフォントが好きな私にとっては、この仕様は大歓迎。プレーンテキストを扱ってる感バッチリなんで、非常に快適に文章入力ができております。
ちなみに、Standard NotesはWEBアプリのほか、Mac/Windows/Linux/iOS/Android版とありますが、MacやWindows向けデスクトップアプリと、WEBアプリとの間でできることの違いはほとんどありません。
ブラウザさえあればいつでも編集できるって意味では、私はWEBアプリ版をメインに使うことをおすすめします。
4.有料プラン「Extended」
長寿命を実現するために機能を極限までシンプルにしているStandard Notesですが、月8ドル〜の追加料金を支払えば、「Extended」というプランに加入することができます。
これはStandard Notesの機能をより強化する拡張機能で、主にテーマ・エディタ・コンポーネントの3種類を追加することができます。
テーマってのは、プログラマっぽくダークな感じの色味にしたり、目に優しい暗めの外観にすることができる機能のこと。
エディタってのは、プレーンテキストを扱う標準エディタに追加して、リッチテキストを扱うエディタや、MarkDown記法に対応しプレビューを表示してくれるエディタを使えるようにする機能です。
コンポーネントは便利機能的なもので、タグ付けを高速化したり編集履歴を保存するようにしたりする機能が含まれます。Dropboxなどに自動保存する機能や、2ファクタ認証もこの分類ですね。
このページから料金プランを確認することができますが、現時点では年額35ドル、月額8ドル、5年プランで100ドルの3つが選べるようになっています。私はとりあえず月額プランで利用中。
なお、支払いはPayPalを指定できますし、購読後に即解約しても、次回の課金日まではプランが有効になる親切仕様です。解約後すぐに有料プランが使えなくなるわけではないので、1ヶ月お試しとして900円払ってもいいかもしれませんね。
5.EvernoteやGoogleKeepからの移行ツールもバッチリ
Evernoteから移行するユーザーをしっかりフォローアップしているのも特徴で、公式で移行ツールを用意してくれています。
https://dashboard.standardnotes.org/toolsdashboard.standardnotes.org
このページにEvernoteのバックアップファイルをアップロードすれば、すぐにStandard Notesのバックアップファイルに変換してくれます。
あとはアカウント設定からファイルをインポートしてあげれば、EvernoteのノートをすべてStandard Notesに移行することが可能。
プレーンテキストを変換するツールも含まれているんで、私のようにGoogleドキュメントとGoogleKeepをこれまで使っていた場合にも、移行は難しくありません。
プレーンテキストを扱いたいって人で、Evernoteからの移行先を探しているって方にはぴったりな選択肢になるんじゃないでしょうか。リッチテキストを扱いたいときにも、有料プランで一応扱えますしね。
まとめ
以上、Appleメモアプリの上位互換のような「Standard Notes」がいいぞ!って話を書いてきました。
プレーンテキストを扱いたくて、メモリやCPUへの負荷が少ないサービスかつプライバシー重視のノート・メモサービスを探している方にとっては有力候補になると思います。
基本的な使い方や始め方については、GIGAZINEさんのレビュー記事を読むとよいでしょう。
Evernoteを捨てて以来ノート難民だった私でしたが、やっと定住先が見つかりそうな予感がしております。笑