私もよくやってしまうんですが、暇な時間ができるとつい動画や音楽を流したり、目的もなくネットサーフィンしちゃうことってありますよね。ところが、そうやって「ボーッとする」時間を削ってしまうと、脳によくないってことがわかっています。
今回は、「ボーッとする」ことの大切さについての話です。
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1.「ボーッとする」だけで15倍のエネルギーを消費
私なんかは「最近ボーッとすることが少なくなったな〜」って思うんですが、この「ボーッとする」って時間は、脳にとって非常に有益だったりします。
というのも、「ボーッとする」ことで脳内の情報を整理し、考えをまとめて、疲労も回復してくれるっていう効果があるからですね。さらに研究によると、脳のサイズを大きくする現象も確認されているんだとか。
だれでも一度は心当たりがあると思うんですが、なんとなく手持ち無沙汰でボーッとしているとき、突然アイデアが浮かんでくることは少なくありません。これもボーッとすることで脳内の情報が整理され、アイデアが生まれやすい環境になったからこその現象なんですね。
さらにこの「ボーッとする」ことにより、脳内では通常の15倍のエネルギーが使われているってデータもあります。ただぼんやりしているだけなのにこれだけエネルギーを使うってのは、それだけ情報整理などに脳が働いている証拠でしょう。
2.「デフォルトモード・ネットワーク」とは
この「ボーッとする」ことで働く脳の神経回路を「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」っていいます。ワシントン大学のレイクル教授が命名した脳の部位であります。
デフォルトモード・ネットワークの働きにより、私たちはアイデアが浮かびやすくなったり、考えがまとまったりするわけです。
なかなか解けなかった数学の問題からいったん離れて、ボーッとしているとふとした拍子に解法が浮かんだりすることがありますが、これもデフォルトモード・ネットワークの働きによるものですね。
「脳の中の妖精さん」とイメージすることもできるでしょう。ただ、このデフォルトモード・ネットワークには賛否両論あって、「デフォルトモード・ネットワークはうつ病を促進させる!」みたいな意見もあったりします。
これは、ボーッとすることでデフォルトモード・ネットワークを働かせていると、特にネガティブな人なんかは「あの時はこうしておけば…」「自分はなんてダメなやつなんだ…」という思考が生まれやすくなってしまうからですね。
ですので、ベストセラーになっている『世界のエリートがやっている 最高の休息法』って本では、デフォルトモード・ネットワークの働きを沈めるためにマインドフルネスをやろう!って主張をしていたりもします。
3.なにもせず「ボーッとする」時間をもっと確保しよう!
以上のことを考えると、イヤな出来事があった直後や、自分がうつっぽい傾向にあることを自覚している人、漠然とした不安を感じているタイミングなんかでは、あまりデフォルトモード・ネットワークは働かせない方がよいでしょう。
ネガティブな気持ちのままボーッとしていると、やっぱりネガティブな思いに押しつぶされてしまいますからね。そんな時は仕事・家事・勉強なんかの作業に集中して、デフォルトモード・ネットワークの働きを抑えるのが得策です。
そうした状況以外であれば、デフォルトモード・ネットワークは積極的に働かせていくべきものでしょう。創造的なアイデアが浮かびやすくなり、脳内の情報整理がおこなわれるわけですから。
「自分は今健康だ」「ポジティブな気分だ」って時には、ぜひ積極的に「ボーッとする」時間を取ってみましょう。スマホやパソコン・テレビを見るのをやめて、静かでリラックスできる環境でぼんやりしようってことであります。
そうすれば、ひょっとすると人生を変えるようなアイデアが降ってくるかもしれませんので。
まとめ
以上、「ボーッとする」時間を大切にするべき理由について書いてきました。
デフォルトモード・ネットワークについて取り上げている本はたくさんありますんで、気になったら読んでみるとよいでしょう。『退屈すれば脳はひらめく』とか『NATURE FIX』とか、『世界のエリートがやっている 最高の休息法』なんかがおすすめ。
まずは5分からでいいので、意識的に「ボーッとする」時間をつくりたいですね。