飲み物の配置を変えただけで健康に
誰でも健康的な食生活を送りたいと考えているものですが、実行に移すのはなかなか難しかったりしますよね。私も水やお茶ではなくジュースを飲んでしまったり、お菓子やスイーツを食べ過ぎてしまうことがあります。
そんな悩みを解決するのに役立つのが、『複利で伸びる1つの習慣』という本の中で紹介されている、マサチューセッツ総合病院で行われたある実験です。
同病院の医師であるアン・ソーンダイクは、病院内にあるカフェテリアの「環境」を変えるという試みを実行しました。
まず、室内の飲み物の配置を変えることから始めた。もともと、カフェテリアのレジの横にある冷蔵庫には、炭酸飲料しか入っていなかった。そこで、各冷蔵庫に水を入れて選べるようにした。さらに水のボトルを籠に入れて、部屋中の料理コーナーのそばに置いた。炭酸飲料は冷蔵庫に入ったままだが、水はあらゆるところで飲めるようになった
ここまで聞くとなんとなくわかると思いますが、部屋中に水の入ったボトルを配置しておくことで、炭酸飲料の消費量を減らして健康的になれるんじゃないかという実験ですね。
その結果は以下の通り。
その後の三カ月で、病院で炭酸飲料が売れた本数は、一一・四パーセント減った。その間、水のボトルは二五・八パーセント増えた。カフェテリアの料理でも同じ方法をとり、同じ結果が出た。そこで食べている人には、誰も何も指示しなかったのにである。
というわけで、カフェテリアの配置という環境を変えるだけで、人々をより健康的な食生活に導くことができたということになります。
趣味嗜好よりも、環境が与える影響が大きい
イメージしてみるとよくわかりますが、「喉が乾いたな」というときに自宅に水かお茶しかなかったら、わざわざコンビニやスーパーへ行ってジュースを買ってくることなく、素直に水かお茶を飲みますよね。
たとえジュースのほうが好きだと思っていても、自分の目の前に水のボトルがあって、別の部屋の冷蔵庫にジュースが入っていたとしたら、かなりの高確率で水を飲むことを選ぶはず。
それだけ私たち人間の行動は周囲の環境に左右されやすいってことなので、これをヒントにすると簡単に食生活を改善することができると思います。
健康な食べ物を家中に置いてみよう
たとえば、台所には常に果物を置いてすぐに食べられるようにしておくとか、ソファやベッドの近くには無塩ナッツを置いてつまめるようにしておく、なんて方法が考えられます。
冷蔵庫を開けたときに一番最初に目に付く場所に、ラップをかけたサラダを入れておけば間食に食べる可能性が上がるかもしれません。逆に、お菓子やスイーツ、ジュースといった不健康な食べ物は、棚の奥底など取り出しにくい場所に入れておくのがおすすめです。
そんな風にして、毎日の食生活を改善してみてはいかがでしょうか〜。