メンタリストDaiGo師匠の『直観力』では、人間の直観は約9割の確率で的中するという海外の研究結果が紹介されています。
「だったら全部自分の直観にしたがってれば…」と思う反面、恐れや不安でどうしても理屈で考えてしまうもの。たとえば「後知恵バイアス」のような思考のワナには気をつけたほうがいいかもしれません。
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1.約9割の確率で正しい選択ができる「直観」
『直観力』によると、人間の直観は約9割の確率で的中するという研究結果があるそうな。「こっちがいいかも?」となんとなく感じた選択は、ほぼ確実に正解となるってことですね。
具体例としては、ある教授の授業を半年受けた学生グループと、その教授についての映像を2秒見た学生グループとの間で、教授への評価はほとんど変わらなかったという例が紹介されています。
2秒見ただけの「直観」と、半年の経験による塾考は、ほぼ同価値ってことになります。ならば、決断に半年かけるのと2秒で即断してしまうのとでも、あまり成功率が変わらないような気がしてきます。
実際、直観は複雑な微分方程式さえ一瞬で解いてしまうという話もあります。どういうことかというと、自分に向かって落ちてくる野球のボールやバレーボールの軌道は、本来微分方程式で計算して落下点を見極める必要があるものです。
しかし人間の直観は、一瞬でボールの落下点に入り、さらにグローブで的確にキャッチし、腕で狙ったところに返すことができる。「なんとなく」で私たちの直観は、微分方程式すら無意識に計算してしまうということです。
2.クイズ番組のつぶやきに見る「後知恵バイアス」
ならば日常生活での決断は、すべての場面において直観に頼った方が有利…ではあるんですが、そうはいかないのが人間の悲しいところ。私たちにはさまざまな「バイアス(思考の偏り)」があって、純粋な直観に頼れない場面が多くあります。
直観の威力を妨げる思考の罠として、特に注意したいのは「後知恵バイアス」と呼ばれるものです。これは「やっぱりね。そうだと思った」を表現した用語です。
イメージとしては、AとB2択のクイズ番組で、「Aだと思うけど、俺はBの気がするな」なんてつぶやく人がいたとします。正解はA。するとこの人は「ほら、やっぱり言ったでしょ?」と自分の予想を自慢しようとしてくるかもしれません。
しかし、こういう人はたとえ正解がBであっても、「ほら、俺の言った通り!」と自慢するものです。これは単なる言い訳で、後づけの自己正当化といえるでしょう。
こんなひねくれた考え方をしていると、自分の直観を信じられなくなってしまいます。どんな決断をしても自分を正当化してしまい、失敗したことを認めて「なぜ失敗したのか?」を分析することができないままになるからです。
もし自分の予想(直観)が外れたなら、「なぜ外れたんだろうか?」「直観ではAだと思ったけど、理屈で考えてしまいBを選択したんじゃないか?」と分析することが大切です。トライアンドエラーによって、直観はさらに磨きがかかっていくのです。
3.都合のいい情報ばかりを探す「確証バイアス」にご注意を
そんな「後知恵バイアス」ですが、私はこれを「確証バイアス」の1つであると考えています。確証バイアスってのは、自分の都合のいい情報ばかりを集めてしまう傾向のことですね。
たとえば、新しくiPadがほしいと考えたとします。このとき私たちは、iPadのいい面ばかりを探そうとし、悪い面を無意識に無視してしまうものです。Amazonのレビューを見るときは★5の書き込みばかりを読んで、★1の書き込みを無視する…など。
「何万円もの出費が必要」という側面を無視し、「iPadがあったらやれることリスト」なんて考えてしまうわけです。iPadがどうしてもほしいと思っている場合は、「iPadの値段で買えるものリスト」なんて決して考えたりしません。
後知恵バイアスも、こうした自分の都合のいい情報ばかりを収集してしまう確証バイアスの1つなんじゃないでしょうか。これは偏見や先入観ともつながる話ですが、これらのバイアスによって直観の精度はどんどん落ちてしまいます。
バイアスを回避してより正確に直観を働かせるためには、直観を紙に書き出して可視化するなど、回避策を取る必要があります。この辺の回避策や生活習慣については、『直観力』を手にとって学んでみてください。
まとめ
というわけで、約9割の的中率を誇る直観と、直観の精度を落とす「バイアス」について解説してきました。特に「後知恵バイアス」については、子どもの頃から習慣的にやっていた…なんて人も多いんじゃないでしょうか。
だれでも失敗は怖いものです。しかし、失敗を恐れていては正しく直観が働かず、せっかくの9割正しく言い当てる能力が落ちてしまいます。『直観力』で直観の正しい使い方やバイアスへの回避策を学んで、日常生活での決断や意思決定に活かしましょう。