『お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計』という本を読みました。「ほったらかし投資術〜」みたいな内容のよくある本ですね。はやりのタイトルを付けた中身の薄そうなイメージがあった書籍ですが、読んでみると意外とおもしろい。
特に「何もしない」「平均狙い」のコンセプトがおもしろいなーと感じたので、自分用にメモ。「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」という新しい投資信託を知ったのも大きな収穫です。
- 1.なぜ「何もしない」「平均狙い」なのか
- 2.平均回帰とドルコスト平均法
- 3.債券でリスクを軽減しつつ株式に投資しよう
- 4.どの投資信託を選べばいい?
- 5.世界への分散投資をおこなう「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」
- まとめ
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1.なぜ「何もしない」「平均狙い」なのか
『お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計』では、「何もしない」「平均狙い」の2つのコンセプトで家計を管理し、資産を増やすことをすすめています。
お金のことになると、私たちはどうしてもあれこれと不安になってしまいますが、じつは「ジタバタと動かないで済むしくみ」をいかにつくるかが家計管理のカギになります。
「何もしない」ことが重要なのは、節約や投資の手間を省くのはもちろんのこと、余計にジタバタして資産形成のチャンスをふいにすることを防ぐ目的があるからです。たとえば、アメリカ経済の指標の1つにS&P 500というものがありますが、これは長期的に見れば右肩上がりを続けています。
短期的には上下を繰り返していますので、もし「何もしない」のではなく日々の経済動向に合わせて売ったり買ったりしていれば、得する可能性は高くなりますが損する可能性も高くなるわけです。
長期的には右肩上がりが期待できるなら、いったん投資する仕組みをつくったらあとは放置するほうが賢いよね、ということです。
お金の世界では「すごく儲かる」と「すごく損する」との中間、すなわち〝ふつう〟を狙うことこそが、手堅く資産をつくっていくための何よりの秘訣 なのです。
「平均狙い」ってのは、インデックスファンドですべての銘柄の平均値を狙い、投資信託を平均回帰の法則をもとに長期的に保有し、ドルコスト平均法によって積立投資をしようってことです。
2.平均回帰とドルコスト平均法
市場には 平均回帰 という性質があるからです。短期的に見れば、市場には必ず予測不可能な価格の 騰落 がありますが、それは時間軸を広く取れば取るほど、長期的には平均値に戻っていき、大きなトレンドへと立ち戻っていきます。
先に紹介したS&P 500や株式市場などは、短期的に上下を繰り返すものです。しかし、長期的にみれば大きなトレンドへと収束していく。つまり平均に戻ってくるというわけです。
たとえばコイン1枚を投げて裏が出るか表が出るかを調べれば、表表表と続いたり裏裏裏と続いたりすることは少なくないでしょう。しかし100回、1000回、1万回と繰り返すうちに、2分の1という本来の確率に収束していく。これと似たようなものです。
回数を増やすほど本来の確率に立ち戻ることは「大数の法則」とも呼ばれますね。同様に、1回に100万円投資するのではなく、10万円を10回に分けて定期的に投資する方が、平均値に一致しやすくなるものです。
これを実践するのが、ドルコスト平均法です。
たとえば、毎月2万円をコンスタントに積み立てると決めたら、市場がどうであれ、つねに2万円ずつ積み立てる。こうやって買値の平均化を試みる手法を ドルコスト平均法 といいます。
価格が5000円のときには4単元を購入しますし、市場が低迷して価格が4000円に下がっているときは5単元を買います。市場が上向いて6000円に上がってしまっているときは、3・33単元しか買えません。
この買い方をすることで、割高なタイミングで買っても割安なタイミングで買っても、いずれはその平均値に収束していきます。平均回帰の法則にしたがって、購入価格の平均化が狙えるわけです。
3.債券でリスクを軽減しつつ株式に投資しよう
なお、本書では資産形成を目的とするなら株式が一番だ、というスタンスをとっていますが、「元本割れするリスクが怖い…」という人向けには債券にも投資することをすすめています。
ハイリスクハイリターンの株式投資と同時に、ローリスクローリターンの債券投資を組み合わせることで、ミドルリスクミドルリターンを狙おうってわけですね。
もしもあなたがまだ 20 代で、今後 40 年以上の投資期間があるのだとすれば、株式比率を上げて積極的にリスクを取っても問題はないでしょう。投資期間が長くなれば長くなるほど、大きく下がったとしても平均回帰を待てるので、ある程度の下落は恐れる必要がなくなるからです。
逆に、いま 60 代でリタイヤ目前という人であれば、株式比率は下げてリスクは小さめにしておくほうが賢明です。残りの投資期間がそれほど長くなく、近いうちに老後生活のための資金として使うフェーズに入ることがわかっているからです。
このように、どれくらいリスクを許容できるかを判断基準として、株式投資と債券投資を組み合わせるのがいいよ、と述べられています。私ならまだ20代前半の身ですので、株式投資1本に絞ってもいいでしょうね。
4.どの投資信託を選べばいい?
パッシブ運用に徹したインデックス投信、そのなかでもなるべく手数料の低いものを選ぶのが、最もシンプルで最も確実な方法 です。この基本だけ押さえれば、 巷 に出ている「投資信託選びの情報」のほとんどは無視してかまわないと言っていいくらいです。
株式にしろ債券にしろ、投資するのであれば投資信託を選ぶのが賢明です。どの株式を買うか、どの債券を買うのかをプロの人にまかせるって方法ですね。投資信託にはアクティブファンドとインデックスファンドの2種類がありますが、本書ですすめられているのはインデックスファンド。なぜなら、
メリット ❶ 誰がやっても同じ運用結果になるので、 選択に迷わなくていい
メリット ❷ 投資先が分散しているので、個別株よりはるかに リスクが低い
メリット ❸ 預金・保険での運用よりもずっと高い 利回りが手堅く得られる
などのメリットがあるからです。平均回帰の法則も使えますし、ドルコスト平均法で平均化を狙えるのもインデックスファンド。日経平均株価だったりS&P 500の値動きに合わせて投資信託の価額が上下するよう、機械的に投資先を選ぶ投資信託ですね。
5.世界への分散投資をおこなう「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」
日経平均株価の値動きに連動する投資信託や、上場企業すべての平均株価に連動するTOPIXをもとにした投資信託を選ぶのは、控えたほうがいいかもしれません。というのも、世界に目を向ければ日本の市場は世界の8.5%でしかないからです。
ではどうすればいいかというと、全世界の株式に投資するのがベスト。日本や米国に偏ることなく全世界の株式に投資できるよう組み合わせるといいんじゃないかというわけです。
そうすれば、日本や米国の市場が傾いたとしても、発展途上国の経済が良好であれば暴落を抑えることができるかもしれません。
とはいえ、全世界の株式に投資するとなると、いくつもの投資信託を組み合わせて買わないといけなくなります。ちょっとめんどうですよね。そこで本書でおすすめされているのが、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」というインデックスファンドです。
文字通り全世界の株式へ分散投資する投資信託となっており、本書のコンセプトを忠実に再現するならこの上ない投資先になるでしょう。
この投資信託は2017年後半にスタートしたものらしく、私はこの本を読むまでファンドの存在自体知りませんでした。この投資信託の存在を知ることができただけでも、本書を買ってよかったと思えますね。
さっそく私も、口座を持っている楽天証券にて「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を積み立てる設定をしました。今後が楽しみです。
まとめ
というわけで、『お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計』の要約と「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」について紹介してきました。
本書にはここで紹介した内容のほかにも、「家計簿が資産形成の役に立たない理由」などの家計を管理するためのヒントが書かれています。気になった方はぜひ手に取ってみてください。