「とても考えさせられる内容でした」ってレビューあるじゃないですか。
個人的にはあまり使わないようにしているんですが、このフレーズってまるでめちゃくちゃ考えているようなナイスな感想に見えるけど、実は中身空っぽな印象を持ちませんか?
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1.「考えさせられる」ってどういうこと?
Amazonのレビューだったりブログ記事だったり、SNSのコメントなんかで「考えさせられる」って文章を目にすることがあります。「深い内容だった」「感動した」みたいなニュアンスで使われることが多いみたいですが、どうしてこのフレーズを使うのでしょうか?
「考えさせられる」ってことは、その文章なり映像なりが自身にメッセージを訴えかけるようなものだったってことですから、受け手としてなにか感想を持って考えを改めたっていうことになるはずなんでしょうけど、だいたいその具体的な感想とか考えについて述べることはないんですよね。
ただ単にナイスな批評家のふりをしたいから、あえて抽象的でツッコミづらいフレーズを残して逃げている…ような。そんな印象を、この言葉に出会うたびに私は抱いておりました。
2.何も考えていない証拠?
似たようなことを考えているのは私だけではないようで、2008年のはてなダイアリーへの投稿でこんな内容のものが見つかりました。
映画や書籍を読んで「考えさせられる作品だった」とか言う人がいる。
あなたはこの言葉を言ったことがありますか?
もし言ったことがないのなら非常に幸運。これからも絶対に口に出しちゃダメ。
「考えさせられる」なんて馬鹿を見分けるのに非常に便利な言葉です。
すごい辛口ですが、気持ちはすんごくよくわかります。「『考えさせられる』なんて一見ナイスに思えるフレーズで逃げているだけで、実は何も考えてはいないんでは?」と、私も思うわけです。
それに、「考えさせられる」ってレビューはだれの役にも立たないんですよね。単なる自己満足にしかつながらず、それを読んだ人が「読んでみたい!」「買ってみたい!」と思うことはまずないでしょう。
それよりも、「〇〇の部分に感動した」「■■のシーンで泣いた」みたいな具体的なレビューのほうが、ずっと多くの人の心を動かすはず。
決して「そんなレビュー書くなよ!」なんてメッセージを送ったりはしませんが、自分の書く文章ではそんなフレーズが出てこないよう気をつけたいものです。
3.具体的なレビューを発信しよう
ちなみに、私がAmazonで買った本のレビューや書評を書くときに気をつけているのは、読むべきポイントと読まなくてよかったポイントについてです。これがあるかないかでは、読書のスピードが大きく変わってくるんですよね。
たとえば、第1章から第4章まであったとして、通読してみたら次のような構成だったと判明したとします。
第1章:筆者の自分語り。参考にすべきポイントなし。
第2章:やや具体的で人にとっては役立つ情報があるかも。
第3章:めちゃくちゃ有用!この章だけでも読むべし!
第4章:エピソードとしてはおもしろいけど役には立たないかな?好みで読み進めてもいいかも。
こんな本だった場合、書評やレビューでは「他の部分はすっとばしてもいいから、第3章だけは必ず読むべし!!」ということを感想に書くように心がけているってことです。
これから読もうとしている人にとって、こういう情報ってかなりありがたいものです。私個人的にも、Amazonで上記のような読むべきポイントと読まなくていいポイントを教えてくれるレビューに出会ったとき、レビュアーの方にはめちゃくちゃ感謝しています。
本のエッセンスとなる第3章だけを読めばいいって事前に分かっていれば、読書にかける時間を4分の1に圧縮できるわけですから。なので自分でも、当ブログやAmazonのレビューを書く際には、上のような書き方ができるよう訓練しております。
まとめ
以上、「考えさせられる」っていう一見ナイスな感想に思える言葉について、イヤだな〜って気持ちを書いてきました。自分のなかでは「〜させていただいております」に次いでキライな言葉だったりします。
とはいえ、「そんな言葉使うなよ!みっともない!」なんて批判をしたって得るものはありませんので、自分が書く文章のなかでつい登場させたりしないように心がけたいと思う次第です。