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「昨日の自分に教えたいこと」をテーマに書き散らしてます

お札を数えて「お金を持っている感覚」を持つだけでも、死への恐怖が軽減する

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「死」への恐怖は人類にとって普遍的なものですが、実はある行動によってその恐怖感を軽減できるんだとか。それは「お札を数える」こと。

お金を持っている感覚が得られるだけで死への恐怖が抑えられる…。ってことは、高齢者が資産を手放したがらないのも納得です。

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1.お札を数えるだけで死への恐怖が5分の1に

トマシュ・ザレスキウィッツという心理学者がポーランドでおこなった実験で、被験者を2つのグループに分け、それぞれ次のような作業をしてもらったそうな。

  • グループ1:札束を渡され、額面の合計額を答えてもらう
  • グループ2:札束と同じサイズの数字が書かれた紙束を渡され、数字の合計値を答えてもらう

要は、札束を数えるグループと紙束に書かれた数字を数えるグループをつくったってわけです。その結果、次のような結果が得られたそうな。

お金を数えたグループの方が死に対する恐れが少なかった。数字でいうと、5分の1近く軽減されていた。

なんとお札を数えただけで死への恐怖が軽減され、その度合いは5分の1にまで達したんだそうです。ちなみにこれは「死ぬことがとても怖い」みたいな質問にイエスと答えるかノーと答えるか、みたいなアンケートで測られた数字であります。

2.使うことではなく「持っていること」が大事

さらに同じ心理学者による調査で、死への恐怖感はお金を使うことではなく「お金を持っていること」で軽減されることもわかっています。お金で食べ物なんかを買うから死への恐怖が減るのではなく、財布が暖かくて貯金残高の桁数が多いことが、恐怖感を減らすのだとか。

普通に考えれば、手元にあるお金で散財し、ストレスを発散することで死への恐怖が和らぐように思えます。現実逃避的な意味合いでモノを買い、暮らしを豊かにすることが安心感に繋がるんじゃないか、と。

しかし私たちは、頭では「現世の金は死後の世界には持っていけない」とはわかっているものの、死期を目前にする(とイメージする)と、お金を貯め込んでしまう習性があるみたいですね。

3.高齢者が資産を手放したくないのも、死への恐怖があるから?

このことは、日本の高齢者がやたらと資産を貯め込んでいることにも説明がつきそうです。

私みたいな若い世代からすると、「もっとお金を使って経済回して!」なんて思ってしまうものですが、死への恐怖に対して本能的に蓄財しようとしているなら、それは責められないことかもしれません。

なお、今回の参考文献『MIND OVER MONEY―――193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実』では、お金と死への恐怖感との関係について、はっきりとしたメカニズムは説明されてはおりません。

でも「なんでお金が死への恐怖を和らげるんだろう…?」とめちゃくちゃ気になる話ではありますよね。お金なんて人類史でみればごく最近登場したもののはずなのに、人の生死に関わる部分に影響を及ぼすってのは、個人的にすごく興味深く思ったのでした。

まとめ

以上、「お金を持っている感覚」が死への恐怖を和らげるらしい!って話を書いてきました。

もしかすると、お金を持っている感覚を持つことは大きなストレス軽減効果があるのかもしれません。であれば、仕事や人間関係でストレスを感じたとき、財布のなかのお金を数えてみると心が落ち着く…かもしれませんね。

まあ「お金がある!」って感覚を抱くと、人は他者と交わる機会を減らし、孤独になりたくなるって話もあるんで、一概におすすめ!って方法とはいえませんけども…。