「食物繊維」っていえば、一昔前までは役立たずな成分とされていましたが、最近の研究では腸内細菌のエサになって腸内環境を整える効果が見つかっているほか、お通じ改善にも役立つってのが定番です。
ところが食物繊維のパワーはそんなもんではなくって、1日10gの摂取で死亡率が11%減る!ってデータもあるくらいなんだとか。
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1.びっくりな食物繊維の効果
「腸内細菌のエサになって腸内環境を整える」とか、「お通じがよくなる」って話をよく聞く食物繊維。少し前までは役立たずな成分として知られており、私が子どもの頃の家庭科の授業では、まったくといっていいほど取り上げられなかったように記憶しています。
ところが最近になって、食物繊維がすごい!ってデータが増えているらしい。『最高の体調』で紹介されているところによると、
データによれば、食物繊維の摂取量が1日 10 g増えるごとに早期の死亡率が 11%ずつ減っていきます。 ヘタなサプリや健康食品を飲む前に食物繊維を増やしたほうが、よほど病気の予防になりそうです。
とのこと。これは2015年に中国の病院でおこなわれた研究がもとになっており、180万人分のデータを精査したうえでの結論なんだとか。
食物繊維の摂取量が多い人は、少ない人にくらべて早期死亡率が 23%も下がり、癌の発症率は 17%ほど低下。さらに炎症性の病気にいたっては、 43%もリスクが下がるというのです。
これは食物繊維が腸内環境を整えてくれることから得られる効果だと思われます。腸内細菌には、善玉菌の働きによる免疫システムを担っているという役割があります。それが近代的な食生活によって崩れてしまい、腸に穴が開く「リーキーガット」なんて症状も引き起こしてしまいます。
すると体内の炎症レベルが高まり、数々の病気を招きやすくなるってわけです。腸内細菌の種類が少ないと疲れやすい体になるって研究もあり、「なんとなく疲れがとれない…」って現象は、実は腸内環境が悪いことが原因なのかもしれません。
2.野菜とフルーツを増やすべし!
疲れやすさとも深い関係がある食物繊維。ではどうやって食物繊維の量を増やしていけばいいでしょうか?
本書で紹介されているのは、まず野菜とフルーツの量を増やすことであります。
食物繊維を増やすには、まず野菜とフルーツの摂取を増やすのが基本です。なかでもゴボウ、寒天、海藻、キノコ類、オクラ、リンゴなどは、腸内細菌が好きな水溶性の食物繊維を豊富にふくむ優良食材。和食に使われる食材には食物繊維が豊富なケースが多く、和風の食事を心がけていれば自然と摂取量も増えて行きます。
食物繊維は肉や魚にはほとんど含まれておらず、摂取するためには野菜やフルーツを食べないといけません。それも野菜ジュースとかフルーツジュースみたいなものではなく、生の食材がベスト。
なお、切り干し大根とか干ししいたけといった、水分を抜いて乾燥させたものにはより多くの食物繊維が含まれます。効率よく摂取したいなら、こういう乾物系を狙ってみるのもアリかもしれませんね〜。
個人的にはリンゴを食べたあとはお通じがよくなる傾向があり、どうも体との相性がいいっぽいので週に3個以上は食べております。あとはサツマイモ・にんじん・たまねぎなんかをたっぷり入れた野菜スープも好きです。
3.避けるべきNG食品は「加工食品」
逆に腸内細菌に悪影響を与えてしまうのが、食物繊維がほとんど含まれない加工食品です。ファストフードやスナック菓子、ジュースなんかを食べ過ぎてしまうと、腸内細菌が減少してしまうことがわかっています。
ですので、目指すべき食生活としては
- 野菜とフルーツを増やし、
- 加工食品を減らす!
となるでしょう。シンプルですね。
食物繊維を増やして腸内環境を整えれば、疲れにくい体づくりへとつながり日々の生産性や幸福度にも直結していく…。下手なサプリや健康食品を食べる前に、食物繊維を増やす食生活を目指したいところ。
まとめ
以上、1日10gの摂取で死亡率は11%減少するすごい成分、食物繊維についての記事でした。本書では体の炎症レベルを抑える対策として、第一に「自然との接触を増やすこと」、次点で「人間関係と食物繊維」を挙げています。
それだけ効果がはっきりしているのが、食物繊維のパワーということでしょう。私もブルーベリーやリンゴといったフルーツを中心に食物繊維を増やし、疲れにくい体を目指したいと思ったのでした。
なお、食物繊維以外にもベストな体調を手に入れる方法を知りたい方は、『最高の体調』を全部読み通してみることをおすすめします。