不安や緊張でいつものパフォーマンスを発揮できない時、どうしてますか?
不安や緊張は誰にでもあることです。適度な緊張は集中力を高めてくれますし、不安があるからこそ目の前の物事に取り組むモチベーションが高まります。
ストレスと同じように、うまく使えば良い効果をもたらしてくれる不安・緊張ですが、行き過ぎると無視できない問題になることがあります。
私が以前から悩む「不安障害」もその一つ。
強い緊張や不安を感じるとパニック障害に陥ったり、強迫性障害が起こることもあるこの病気。
私の症状は、他人(特に初対面の人)と食事をしようとすると、食べ物が全く喉を通らず、コーヒーを飲むだけでも吐き気が襲ってくるというものでした。
今でも友人や初めて会う人との外食、カフェでの軽食には非常に大きな恐怖感があり、食事を目の前にすると吐き気に襲われて、コミュニケーションにも問題が生じる症状は治っていないようです。
ですが、不安障害が発症してからの間、私もさまざまな不安克服法を試してみました。
今回はその不安・緊張対策としてのコツを11個にまとめてご紹介します。
※長めのエントリーなので目次からたどることをオススメします。
目次
持ち歩ける安心グッズを身につける
「これがあるから大丈夫。」
「これが不安から守ってくれる。」
そう思えるジンクスがあるとかなり気が楽になります。
ミンティアが私の安定剤
特に私にとって効果があったのは、以前から眠気覚ましによく食べていたミンティアでした。コンビニで100円で手に入るお菓子が、私の不安を鎮めてくれるようになったんです。
ミントには精神安定効果があります。
…が、ミンティアに使われているのは合成甘味料なので、おそらく効果は薄いでしょう。しかし、口の中をさっぱりさせるには抜群の効果があります。
ミンティアを眠気覚ましではなく、口臭対策に使っている方も多いですよね。ミンティアを口に含むと、口の中がさっぱりしてネバつきや不快感がリフレッシュされる感覚があると思います。
このリフレッシュさせてくれる効果が、吐き気に襲われる私にとって有効でした。
元々もらいゲロ(汚い表現でスミマセン)をしやすい体質で、嘔吐物や生ごみが苦手だったせいか、食べ物の匂いがするだけで吐き気に襲われることも多いのです。
この食べ物の匂いを相殺してくれるのが、ミンティアの強い刺激臭。今やAmazonで箱買いするようになりました。
モバイルアロマでリラックス
エッセンシャルオイルの中には、リラックス効果が期待できる香りがあります。例えば、ラベンダーの香り。
優れた鎮静作用により、イライラする気持ちや不眠、躁うつなどの改善に特に効果があります。血圧が上がり気味の人には降下させる働き、それから筋肉痛を和らげる働きも注目されています。
ラベンダーのエッセンシャルオイルの小瓶を買い、バッグに入れておくかハンカチに染み込ませておいて、不安や緊張を感じた時に匂いを嗅いでみるのが良いでしょう。または、こんなグッズもあります。
「モバイルアロマ」。これはスティック状になっているカプセルの中に、オイルを染み込ませる綿が入っており、使わない時は密閉を保ち、キャップを開けるとオイルの香りを楽しめるグッズです。
見た目がオシャレで使いやすいですし、小瓶をバッグの中でこぼしてベトベトになる心配もありません。
私はミントとラベンダーのオイルを、それぞれモバイルアロマに入れて携帯しています。集中したい時はミントを嗅ぎ、リラックスしたい時はラベンダーを嗅ぐのがオススメです。
おまもりやおまじないグッズ
「これを持っておけば安心する」というジンクスがあるグッズも、人によってはたくさんあるでしょう。
受験生の時に使っていたシャーペンだとか、大切な人にもらった時計、旅行で買ったおまもりなど。
不安や緊張を感じた時に、そうしたグッズを握りしめると良いでしょう。ポジティブな思い出を思い浮かべることができるようになり、前向きに考えられるようになります。
私の場合は、やはりミンティアの容器ですね。笑
その日の服のポケット全てにミンティアの容器を入れておくと、自然と楽になれます。歩く時にカチャカチャなってうるさいのが欠点です。
相手に不安・緊張があることを伝える
人と会う時に不安を感じる。またはプレゼンテーションや大勢の前でのスピーチで緊張を感じるという場合は、あらかじめ不安・緊張を感じていることを伝えておくと良いでしょう。
相手も理解を示してくれるので、メンタル的にも楽になりますし、どもる・噛む・不自然な受け答えをしてしまう(・吐く)といった失敗を恐れずに済むようになります。
メールやLINEであらかじめ伝えておく
「今日はとっても不安なので失敗してしまったら申し訳ありません。」
なんて、直接言うのは非常に勇気がいりますよね。その一言を伝える時に一番緊張してしまうかもしれません。もしこのように伝えて相手に嫌な顔をされたら…と思うと、怖くてたまらなくなります。
なので、事前に相手に不安・緊張のことを伝えるならメール・LINEなどを使いましょう。
「不安症のせいで吐いちゃったらごめんね」
と、私のように具体的に伝えてもいいですし、
「昨日の夜緊張して眠れないほどだったので、不安とプレッシャーで失敗してしまったらすみません」
ともっともらしい理由で伝えるのもいいですね。
プレゼンテーションやスピーチなら、
「本日は非常に緊張しておりますので、どうか温かい目で見守ってください。」
といった一言を配布資料に載せておくのも、聞き手がリラックスしやすくなると思います。
スピーチの第一声でこのように告げるのも悪くないですよね。
友人、家族や恋人に仲介してもらう
直接はもちろん、メールやLINEでも不安について打ち明けにくい。どうしても平静を装ってしまう。
という場合なら、友人や家族、恋人に手伝ってもらうというのも一つの手段です。
安心できる人物に同席してもらったり、プレゼンの会場に信頼できる同僚を呼んだり。
自分にはしっかりと味方がいて、すぐ近くから見守ってくれている。たとえ失敗したとしても彼らの力を借りることができる。
という安心感があるかないかでは大きく違ってきます。
ちなみに私の場合も、基本的には人と会う時は友人や彼女と一緒です。
というよりもむしろ、友人・恋人繋がりでしか交友関係を広げていない、といったほうが正しいかもしれません。
お一人様でパーティや交流会には、怖くて行けないですね。
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不安・緊張しない場所で待ち合わせる
自分が通い慣れていない場所だと不安も緊張も高まります。馴染みのあるカフェで勉強するよりも、2~3駅くらい離れた初めて行くカフェで勉強するときのほうがずっとソワソワしてしまいますよね。
落ち着かず集中力も散漫になってしまいます。
自宅に呼ぶ
そんな状態を回避するために、自宅へ招くというのは有効な手段です。
周りの目が気になることもなく、もし気分が悪くなってしまったらベッドで休むことができます。万が一のときも自宅のトイレで吐いてしまった分には誰にも迷惑がかからないので、プレッシャーも軽減されます。
不安や緊張を感じやすい人は、内向的な人がほとんどだと思います。私も含めて内向的な人は、手先が器用だったり細かな作業を得意とする傾向があります。
そのため、自宅に招待した友人に食事を振る舞うことは苦ではありませんし、いつもの自然体でもてなしをすることができます。
自宅に呼べる仲の人と待ち合わせしたり、食事をしようとする場合には、積極的に自宅に招いてみるのはどうでしょうか。
行きつけのレストランやカフェを用いる
とはいえ、自宅に呼べるほどの仲の人はほとんどいないと思います。
それならば、行きつけのカフェやレストランで会うようにしましょう。すでに何度も通っている場所であれば、その場所で不安・緊張を感じることはないだろうという安心感があります。
店員さんとも顔なじみであれば、親切に気遣ってもらえたりトイレの近くの席を案内してくれることもあると思います。近場にあるカフェ・レストランであれば、不安や緊張のせいで具合が悪くなったとしても、すぐに自宅や会社などに戻ることができます。
遠方の人と待ち合わせする場合には、わざわざ近くにまで来てもらうのが申し訳なくなるかもしれませんが、「おいしいカフェを知っている」「ここのメニューで是非食べてもらいたいものがある」といったカモフラージュで、それとなく誘うこともできるでしょう。
初めての場所で初対面の相手は避ける
私はできるだけ初めての場所で、初めての相手と会うことは避けるようにしています。仲介してくれた知り合いに同席してもらったり、馴染みのある場所を待ち合わせ場所に指定したり。
とにかく、初めての環境ばかりになってしまうことは避けましょう。
どうしても初めての場所で、初めての相手と会う必要が出てきてしまった時には、工夫して「初めてでない」状態にしましょう。
例えば、待ち合わせの場所やカフェなどに1時間くらい早めに行ってみる。
初めての相手と、電話やLINEで話をしてみる。または駅を待ち合わせにして待ち合わせ場所まで歩いて雑談をする。
こういった工夫をするだけで、だいぶ不安や緊張を取り除くことができます。
医療の力を借りる
一人ではどうしようもない時は、医療機関の助けを借りることも必要です。
私も以前、心療内科に通って話を聞いてもらったり、うつ病診断テスト、抗うつ薬をもらったことがありました。
吐き気止めの頓服薬をもらったこともあります。そうした薬やテストなどは、直接症状を改善することはありませんでしたが、心強いおまもりとなってくれました。
心療内科を受診する
心療内科を受診することは、かなりハードルが高いことだと思います。
たかが不安や緊張を強く感じるだけで薬の力を借りようとするなんて情けない…。なんて感じるかもしれません。
でも、意外とそう思い込んでいるのは自分だけだったりします。
ストレスや不安、緊張なんて誰でも感じるものですし、最近はうつ病がれっきとした病気として認められるようになってくるなどの流れのおかげで、「私もうつ病なんじゃないか」と思う人が増えてきています。
その結果、「ちょっと心療内科に通って話をしてみようかな…」と考える人も増加しているわけです。
身近な周りの人に聞いてみると、心療内科や精神科などの心の病向けの医療機関に通っている人が、少なからず存在することがわかるでしょう。
高いプライドを持っている人ほど、一度心療内科を受診してみるのがおすすめです。カウンセリングを除けば、診療代・薬代ともに保険が効くので、経済的負担も少ないですよ。
頓服薬をもらう
心療内科を受診して、薬を出してもらう時にこれもリクエストするといいでしょう。
頓服薬(とんぷくやく)は、症状が悪化した時にその都度飲む薬です。私の場合であれば、吐き気が強くなった時に吐き気止めの頓服薬を飲む、ということです。
本来はこの頓服薬は心療内科の医師から処方されなかったのですが、「吐き気が強くなった時に飲める薬はないでしょうか?」と私から不安を打ち明けたことで、処方してもらえることになりました。
頓服薬がバッグの中に入っているという安心感が、無視できないほど大きなものになります。一時的に不安や緊張を取り除く頓服薬などを、抗うつ薬などと一緒に処方してもらうと良いでしょう。
性格診断・うつ度テストを受ける
また、私はセカンドオピニオンとして受診した2番目の心療内科で、うつ病診断テストや性格診断などの検査を受けました。テスト用紙にチェックをつけたり、番号を書き込むだけですがこれが意外と重要。
自分の性格や今の状況を、客観的に見るためのツールになります。
「内向的で神経質なテスト結果がでてるから、たしかに不安障害になりやすいタイプだね」
と言われて、そういうタイプの人間なんだ。自分の心が弱いわけじゃないんだ。と理解できたことは大きいです。
自己嫌悪は自分をさらに追い込んでしまうことになります。それを回避するために、「不安になりやすいタイプ」「神経質な分、細かな作業に適性がある」という事実を知ることが重要です。
おわりに
不安障害をもつ私の、不安・緊張対策を11個ご紹介しました。
私の症状が、主に他人と外食する時に表れるものだったので、会食やお茶をする時の対人関係についての方法がほとんどでした。
しかし、タイプの異なる不安、緊張にも役立つ内容が多いはずと確信しているので、実践できそうなものをぜひ取り入れてみてください。
不安や緊張に押しつぶされそうになるのって、つらいですよね。でも、私たちにとって変えられることは数多くあるはずです。人と話すのがどうしても苦手なら、営業職や接客業以外の仕事を選ぶことができます。
外に出るのすら抵抗感があるなら、私のように在宅ワークで生計を立てることだって可能です。
変えられない部分に執着することなく、変えられる部分をどんどん良い方向に変えていけるといいですね。
関連書籍
うつになった旦那さんと、マンガ家の奥さんとの生活を描いた本です。
思わず「あるある~」って笑ってしまいました。うつの当人にとっては全然笑えないことなんですけどね。笑
自分よりもひどい症状の人もいるんだ。と少し勇気づけられました。
不安から来るいろいろな症状について解説してくれる本です。
「不安は当たり前のもの」という話から始まり、特に抗うつ薬などの薬について詳しく書かれています。
服用している薬についての効果や、副作用について知りたいときにも役に立つと思います。