「今日は幸せな日だった」と感じることはよくありますが、私たちはどんな行動によって幸せな1日だったと感じるんでしょうか。意外と幸福感を高めてくれる1日の行動は把握できていないものです。
そこで今回は、「カレンダーマーキング法」というやり方で、1日の幸福度を記録してみるチャレンジに取り組むことにしました。
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1.やっぱり幸福になりたいよね
アリストテレスは「幸福は誰もが求める最高の目標である」という言葉を残しました。
「イケメンと出会いたい」「金持ちになりたい」「頭が良くなりたい」みたいな欲求はだれにでもありますが、その大元にあるのは「幸せになりたい!」という気持ちではないでしょうか。人として生まれたからには、やっぱり人としての幸せを味わってから死にたいと思うのが当然ってものです。
実際私も、これまでは「どのくらいお金が稼げるか」とか、「どのくらい自由な時間が増えるか」という基準で仕事を選んだり、暮らし方を変えたりしてきました。
しかし、日本の「幸福学」について説かれた『幸せのメカニズム』という本では、実は収入が増えても幸福感は増えない話とか、自由な時間が少ない方が幸福感を感じやすい、みたいなデータが紹介されていて衝撃を受けたりします。
幸福って、改めて考えてみるとなかなか難しいものなんですよね。
2.日によって幸福度が変わる気がする
ところで、「今日は幸せだ!」と思う日と「今日は不幸だ!」と思う日って、ランダムにやってくるわけではないですよね。なにかうれしいイベントがあると、1日が幸福だったと感じるし、イヤなことがあれば不幸な日だったと感じるのが普通です。
ここで疑問なのが、この「うれしいイベント」とか「イヤなこと」ってのは、どんな出来事を指すんでしょうか?
たとえば私だったら、
- 仕事が午前中に終わった
- 早起きできた
- 本を1冊以上読めた
なんて日があると、たぶん幸せに感じるんだろうな…という予想を立てています。反対に、
- 人とうまく会話できなかった
- アニメやゲームをしすぎてしまった
- 健康を無視してお菓子や加工食品を食べた
なんてことがあると、1日の幸福度は下がってしまいそうです。
こうした幸福になる条件となる1日の出来事を調べるために、「カレンダー・マーキング法」という手法を使ってみましょう。*1
3.カレンダー・マーキング法で記録してみよう
カレンダー・マーキング法ってのは、名前からだいたい分かる通り、1日の幸福度を○△×の3段階マークで記録することであります。
マンスリーカレンダーなり手帳なりを用意して、日記感覚で1日の幸せ度を記録していくわけですな。
カレンダー・マーキング法の概要は以下のとおりである.「一日の終わりにその日がよい日であったか,悪い日であったか主観的に判断し,カレンダーに記号で記録する.記号は,よい日は○,悪い日は×,どちらでもない場合,△を記録する」.
これを毎日続けることによって、「どんな出来事が幸福感を決めるのか」をできるだけ引いた視点でチェックすることができます。
もしかすると「人と会う日には○がつく日が多かった」なんて関連性を発見できるかもしれませんし、「雨の日は×になりやすかった」みたいな単純な関連性が見つかるかもしれません。
いずれにしろどんな日に○がついて、どんな日に×がつくのか、という傾向を分析するのは、幸福になるために役立つデータとなるでしょう。
4.幸福度があがるわけではない
ただし、この方法をとったからといって、幸福感が向上することはないって点にはご注意を。単によい日と悪い日、どちらでもない日を記録するだけなんで当たり前っちゃ当たり前ですが、この方法によって幸福度レベルがあがったという報告はありません。
今回の実験では,カレンダー・マーキング法の実施者と非実施者間で主観的幸福度の平均値に差は見られなかった.
と、論文に書かれている通りです。
あくまでも、「○の日はどんな行動をしていたか」「×の日はどんな行動をしなかったのか」みたいな、個人レベルのデータが集まるだけであります。
5.記録のバリエーション
この論文による実験では、被験者の負担を軽減すべく12345の数字から選ぶ、などといった多い選択を用意するのではなく、あえて3つの選択肢から1日の幸福度を記録するという手法を使っていました。
でも、個人的にはもう少し選択肢は増やしてもいいんじゃないかなあと思ったりもします。幸せな日、まあまあ幸せな日、普通、まあまあ不幸な日、不幸な日の5段階くらいに分けて記録した方が、幸福度を左右する原因をカンタンに突き止められるんじゃないかと。
というわけで、私も今日からカレンダーマーキング方を試してみようと思うんですが、3段階ではなく5段階で記録してみることにしました。
具体的には、毎日つけている日記への★マークの多さで記録する仕組みにしようと考えています。幸せな日だったら★★★★★と日記に記し、普通な日だったら★★★、不幸な日だったら★ってわけですな。朝の占いみたいで親しみがあっていい感じです。
1ヶ月ほど経ったら、日記を見直してみて仕事の量は多かったかどうか、早寝早起きしていたか、アニメやゲームはしなかったかなんて点と幸福度(★の数)を照らし合わせながら振り返ってみようと思います。
まとめ
- 幸福度を左右する1日の行動って意外とわからない
- 1日の幸福度を記録する「カレンダー・マーキング法」を試してみよう
- ただし、カレンダー・マーキング法自体が幸福をもたらすわけではないよ
ちなみに、この「カレンダー・マーキング法」の論文では、△をつける日は幸福度が低いという関係がみられたとも報告されています。「いい日だったか悪い日だったか?」と聞かれて、どっちでもなかった(=△だった)と答えるってことは、そりゃ幸福じゃないよねって話で当たり前のようにも思います。
ここから考えられるのは、できるだけ△の数を減らすことですね。おそらく「○か×か2択にしよう!」って気持ちで記録した方が、より実感に近いデータが得られるはず。
幸福になりたい方は、ぜひお試しください。
以上、『「カレンダー・マーキング法」で毎日の幸福度を記録してみよう』という記事でした。