一昔前までは、「英語」「パソコン」などのスキルが、社会人にとって必須のスキルとされていました。ひょっとすると、いまでもこれらが採用要件となっている求人募集も多いかもしれません。
しかし、会社に勤めるのではなく自営業(フリーランス)を始める人が増えていくこれからは、「セルフモチベーション」「タイムマネジメント」がマストなスキルになっていくはずだよ、という話。
- 1.日本でも海外でもフリーランスが増加中
- 2.フリーランスのメリットとデメリット
- 3.自分を律する力がないとフリーランスに向かない
- 4.自分でやる気を出す「セルフモチベーション」
- 5.オンオフを切り替えて仕事に集中する「タイムマネジメント」
- まとめ
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1.日本でも海外でもフリーランスが増加中
日本のクラウドソーシングサービス大手「ランサーズ」による調査では、2016年から2017年の間に、国内のフリーランスは5%増加しているのだとか。国内では1,122万人となり、日本の人口の17%がフリーランスという統計です。
参考:副業者の人口・職種・年収・労働時間が丸裸|フリーランス実態調査2017 | THE LANCER(ザ・ランサー)
副業・自営業も含めて広義のフリーランスを調べた調査ですが、社会全体としてフリーランスが増えていることは間違いないでしょう。
かくいう私もフリーランスとして生計を立てていまして、さまざまな顧客から複数の仕事を同時に進行する「複業」タイプのフリーランスに分類されます。
海外に目を向けても、アメリカでは2%増加しているとのことで、おそらく世界全体でみてもフリーランス化は進んでいるんではないでしょうか。2014年に発売されベストセラーになった『フリーエージェント社会の到来 新装版』という本でも、これからはフリーエージェント(フリーランス)という働き方が一般的になると予測しています。
2.フリーランスのメリットとデメリット
フリーランスになると、収入が不安定になるというデメリットが生じます。会社員であれば、仕事の成果はほぼ関係なく毎月一定額の給料が振り込まれるのが普通でした。しかしフリーランスになれば、がんばって仕事を探してやり遂げれば会社員時代を上回る収入を得られる可能性がありますが、仕事がもらえず自堕落な日々を過ごしていれば、フリーターやニートのような生活になってしまうこともありえます。
ある程度の資産ができたり、仕事の受注先が増えたりするまでは、お金の不安はずっとつきまとうことになります。
その一方で、「自由」というなにものにも変えがたいメリットを享受できるのも、フリーランスの特徴です。自由ってのはお金の自由でもあるし、時間の自由でもあるし、人間関係や場所、働き方の自由でもあります。
どの仕事に取り組むかは自由ですし、何時から何時まで仕事をするかも自由、どの人と付き合ってどの人とは縁を切るかも自由になるってことですね。
『習慣の力』著者に学ぶ「やる気」を出すためのライフハックの記事でも書いた通り、人には本来「環境をコントロールしたい」と願う欲求があります。人から「やれ」といわれた作業ではやる気がでないものですが、自分で「やろう」と決めたことは長続きした経験がある人は少なくないでしょう。
これは「幸福」や「長寿」にもつながる話で、1990年老人ホームでおこなわれた調査では、施設が決めたルールや食事メニューに逆らう傾向のある高齢者ほど、元気で長生きだったというデータがあります。
別の例でいえば、サラリーマンのなかでも裁量権のない平社員よりも、経営の決定権を持つ幹部クラスの方が幸福で長生きできることが、ロンドン大学の研究によって判明しています。
ここからいえるのは、フリーランスのように身の回りのことを自分で決めて自由に働けるスタイルは、やる気を引き出し、幸福度を高め、さらに寿命を延ばすメリットが考えられるということになります。
これほどのメリットがあると知ってしまうと、もう雇われる生活には戻れないなと私は思うんですが、あなたはどうでしょう?
3.自分を律する力がないとフリーランスに向かない
ところで、私のクライアントの1人からこんな話を聞いたことがあります。
「在宅で仕事ができる人はできるけど、できない人はとことんできない。」
つまり、デスクがあって上司がいるオフィスという場でないと、自分のやる気を引き出せないって人ですね。話を聞くぶんには、どうやら過去に在宅勤務を依頼して、失敗してしまったインターンの学生がいたんだとか。
たとえば、中学生や高校生の頃「家じゃ勉強できないから」と、学校に居残ったり図書館にこもったりする人が周囲にいませんでしたか?それは兄弟が騒ぐせいかもしれないし、自分の部屋がない家庭が理由だったのかもしれません。
しかし、やる気の源を外部に頼る人は、いつまでも自発的に勉強することはできません。仕事も同じで、同僚や上司、オフィスがないと仕事に集中できないって人は、自分の内側からやる気を引き出さないといけないフリーランスという働き方には向かないでしょう。
「じゃあどんなスキルを持った人なら向いているの?」という問いには、本田直之さんの本が役立ちます。いわく、これからの時代で必要とされるスキルはセルフマネジメント力であり、とりわけ大事なのは「セルフモチベーション」と「タイムマネジメント」なのだそうです。
4.自分でやる気を出す「セルフモチベーション」
セルフモチベーションとは、上でも少し触れた「内側」から湧き出るやる気のことですね。
人の目や作業環境といった、外部の刺激に頼ってモチベーションを上げるのではなく、自分で自分を掻き立てられるような人じゃないと、フリーランスには向きません。
フリーランスになると、自分を叱ってくれる上司はいないし、勇気付けてくれる同僚もいません。基本的に孤独な環境で仕事に取り組む必要があります。
この事実を知らないままフリーランスになってしまうと、「やらなきゃいけないのに仕事のやる気が出ない」という苦しみに陥ることになります。
実際、私もフリーランスになりたての頃はそうでした。〆切目前なのに全然やる気が出ない…どうしよう…なんて思いつめたことは1度や2度ではないですし、最終的に仕事を放り出してしまった経験もあります。
しかしフリーランスになって2年ほど経つ現在では、当時よりはセルフモチベートする力が付いてきたように思います。訓練次第で身につけることができるのがセルフモチベーションのスキルですが、外部からの刺激でやる気を出す環境に置かれていては、どうしても成長しない能力なのでしょう。
5.オンオフを切り替えて仕事に集中する「タイムマネジメント」
「セルフモチベーション」が内側から自分を律する心のスキルだとすれば、次に重要な「タイムマネジメント」は、外側から自分を律する仕組みのスキルです。
フリーランスになると自分で自分の働く時間を決めなければいけなくなります。自由に決められるのはいいことですが、メリハリをつけてスケジュールを組まないと、ずっとダラダラし続けてしまう可能性も出てきます。
それを防ぐためには、学生時代に使っていた「時間割」の力を借りるとよいでしょう。つまり、仕事する時間と休む時間をあらかじめ決めてしまうのです。
たとえば私だったら、朝早めに起きて5時から昼の12時までの午前中にしか仕事をしない、なんてルールを徹底したこともありました。お腹が減って集中力が落ちる午後から夜の時間はバッサリ切って、午前中のみに仕事を入れるってスタイルですね。
有名な方法でいえば、1日を3時間ごとに区切って、それぞれに「仕事」「家事」「遊び」などと割り振っていくルールも考えられます。
重要なのは、オンとオフを切り替える仕組みをつくること。どうしても仕事とプライベートの境界が曖昧になり、ダラダラ仕事をしてしまいがちになるフリーランスにとっては、このスキルは不可欠だといえます。
まとめ
- これからはフリーランスが人口の多くを占める時代になるはず
- 個人で仕事をするうえでは、内側からやる気を引き出す「セルフモチベーション」のスキルが不可欠
- くわえて、オンオフの切り替えを徹底する「タイムマネジメント」スキルも欠かせない
セルフモチベーションとタイムマネジメントは別個のスキルではなくて、それぞれが補い合う関係にあります。セルフモチベーションが高まれば、自分で決めた時間割を守りやすくなるし、無意識に行動できるまでにタイムマネジメントが成功すれば、心エネルギーを節約してさらにセルフモチベートに意志力を注ぐことができます。
もちろん、プログラミングスキルとかデザインスキルなどを習得できれば、仕事の幅が広がるのは間違いないでしょう。しかし、フリーランスの働き方を支える土台となるのは、この2つのスキルに間違いありません。
というわけで、将来フリーになることを目指しているなら、「セルフモチベーション」と「タイムマネジメント」のスキルを身につける訓練をしておくことをおすすめします。
以上、『「セルフモチベーション」「タイムマネジメント」がこれからの時代に必要なビジネススキルだ!』という記事でした。