コンビニやスーパーに置かれている募金箱。これまでに余った小銭を寄付したことがある人は少なくないでしょう。
手軽に他者貢献・社会貢献できる身近な機会ですが、「幸福」という観点でみると、もっと適した寄付のやり方があるんです。
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1.寄付をする人は幸福?
『幸せな選択、不幸な選択』によると、ボランティア活動に時間を費やす人は「時間がたっぷりある」と感じやすく、生活満足度が高く、いい気分でいることがわかっています。
ボランティア活動をしている人たちは、そこからかなりのやりがいを経験している。別の研究では、ボランティアをしている人、他人の手助けをしている人、慈善事業に寄付している人は、ほかの人たちよりも生活満足度が高く、よい気分でいられると報告されている
社会的な動物である私たちは、本来1人では生きていけない生物です。そうしたバックグラウンドを考えると、他者に貢献する人は満足を感じやすく、幸福を感じやすいというのは、うなずける話です。
より他者に貢献し、手助けしようとすればするほど、他者から助けてもらえる可能性が高まるからです。ひいては自らの生存確率も高まり、子孫を残しやすくなるわけですな。
コンビニやスーパーには募金箱が常に置かれていますが、こうしたボックスのなかにお金を寄付することは、一時的でも「いいことをした」という気分になれるものです。なぜそんな気分になれるかというと、人間の遺伝子的に他者貢献を「快感」ととらえるクセがあるからなのでしょう。
ただし、ここで1点注意したいポイントがあります。それは、
- 寄付をするから幸福になれるのか
- 幸福な人が寄付をするのか
- そのどちらでもあるのか
という点です。
2.幸福な人が寄付をする可能性
他人のために何かをしてあげている人たちは、そもそも幸せだったのかもしれない。
いわゆる鶏が先か卵が先か、っていう問題ですね。そもそも幸せを感じている人が、気前よく寄付や募金をしているのかもしれません。であれば、寄付→幸福ではなく、幸福→寄付という因果関係となっている可能性があります。
あいにくどちらの因果関係が正しいのかは判明していません。貧乏人な私としては、寄付→幸福という因果関係であってほしいなと思うところではありますが…笑
とはいえ、確実にいえることが1つあります。それは、寄付と幸福は相関関係にある、ということ。寄付をたくさんすれば同時に幸福が多くなるし、幸福が多くなれば同時に寄付をたくさんするようになる。互いに比例する関係にあるってことですな。
少なくとも、他者のためにボランティア活動をしたり、寄付をしたりすることで不幸になることはありません。誰かから強制されるボランティアや寄付は別として、積極的に他者貢献になる活動に取り組みたいですね。
3.寄付による幸福感を最大まで高めるためには?
なお、寄付に関してはおもしろい話が紹介されています。
慈善事業への寄付は、寄付金の行き先とその寄付金が誰のために、どのように役立つのかが明確になっている場合、幸福にとても大きな影響をおよぼすようだ
つまり、
- この募金は世界の恵まれない子どもたちのために使われます
と掲げられている寄付先よりも、
- この募金はアフリカのガーナの村の子どもたちへの感染症予防接種のための資金として使われます
と具体的であればあるほど、幸福にいい影響を及ぼすってことですね。
漠然とした目的のために寄付をするよりも、具体的なプランが掲げられている団体に寄付をするほうが満足度が高まる。なんとなく直感的にも正しそうな話です。
最近では「ふるさと納税」が流行っていますが、寄付を募集する自治体の中には使用用途を限定した寄付を募っているところもあるようです。返礼品がもらえるって点では、あまり幸福に貢献しないような気がしないでもないですが、どうせするなら用途を限定した寄付を心がけるといいかも。
たとえば、京都市北区へ「文化財保護のため」という用途で寄付をしたのであれば、「金閣寺の保護のために貢献できた!」という実感が得られやすくなるはずです。漠然と市や区に寄付するよりも、ずっと満足度が高まるでしょう。
今後寄付やふるさと納税をする際には、「明確な目的があるか」「使用用途を限定できるか」とポイントとして選ぶといいかも。きっと満足度が高まり、幸福感が得られることでしょう。
まとめ
- ボランティア活動や寄付をする人は幸福
- ただし、幸福な人だからボランティアや寄付をするのかも?
- 寄付をするなら、明確な目的があり、使用用途が決まっているものを選ぶべし!
というわけで、「幸福」という観点からみたおすすめの寄付方法を紹介してきました。
漠然とした目的のコンビニ募金より、明確な目的がある寄付の方が、同じ金額で得られる満足度が高くなります。余った小銭を募金するなら、ネットで募集しているユニセフ募金を利用した方が、より幸福になれるかもしれませんね。