在宅で働いているという職業柄、私はビジネスメールやチャットを利用する機会が多かったりします。やりとりする相手の中には、改行もスペースもない詰まった文章のせいで読みづらかったり、やたらとへりくだってきたりする人も少なくないわけで。
ちょうど『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』という本も読んだので、読みやすく、かつスピーディーな意思伝達のために気をつけたいポイントを2つお伝えしたいと思います。
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1.長文ダラダラ…改行ゼロ…過剰な敬語…
ビジネスメールやチャットでメッセージのやりとりをしていると、すんごく読みづらい文章を送ってくる人がいます。一文が長くて句読点が少なく、ダラダラと続く長文。
あるいは改行がゼロで、画面横幅いっぱいにぎっしり詰まった真っ黒な文章。あるいは「〜とさせていただきたく、〜とさせていただければと思います。」のように、敬語が過剰で読みづらいメッセージなど。
もちろん私は日本語の専門家ではありませんので、「そんな書き方、間違ってる!」なんていうつもりはありません。とはいえライターの端くれとしては、読みづらい文章に違和感を持ち、苦言を呈したくもなるものです。
そこで「自分では絶対にこんな書き方はしないぞ!」という自戒の念も含めて、ビジネスメールやチャットではこういう点に気をつけよう!というポイントをまとめていこうと思い立ったわけです。
2.ぱっと見の「ビジュアル」が抵抗感を生む
読みづらいかどうか、すぐ返信しようと思えるかどうかってのは、メールを開いたときのぱっと見の印象で決まります。第一印象が「ぎっしり詰まってて読みづらそう」であれば、ついつい読むのを後回しにして、返信も遅くなってしまいがち。
それを防ぐために、「ビジュアル」に気をつける必要があるわけです。ビジュアルってのは、要は白と黒のバランスですね。
1つの文章が長くて句読点が少なく、ダラダラと続くような文章は当然読みづらいもの。さらに改行や空白の行がなく「黒」の部分が多すぎるメールというのも読む気が失せるものです。
かといって、芸能人のブログによくある「一行ごとに改行と空白の行を入れる」ってのもちょっと考えもの。こちらは「白」のスペースが多すぎて、スクロールする手間もかかり、読み手に負担を与えてしまいます。
ですので、ポイントとしては同じ内容の文章をブロックでまとめつつ、話が切り替わるところで改行+空白の行を入れるということになります。
◆◆◆
●●様、お世話になっております。
以前お話しした●●の件でご相談があります。
最後のコラムにあるAという表現は、
この場面では適切でないと考えられます。
そのためBという表現に差し替えをお願いできないでしょうか?
もしAという表現にこだわりがあるということであれば、
前後の文章について見直しをお願いしたいと考えております。
ご検討よろしくお願いいたします。
◆◆◆
みたいな感じです。改行もブロックづくりもない文章と比べれば、ずっと読みやすくなるはず。ぱっと見の印象も、「話の内容がまとまってて、読みやすいな」みたいなイメージではないでしょうか?
こんな風に、まずは「ビジュアル」を意識した文章づくりを心がけたいですね。
3.「させていただく」「お手すきの時に」は使わない
それからもう1つ。私が気持ち悪いな〜っていつも思っているのが「させていただきます」の多用です。人によっては、ことあるごとに「させていただきます」って表現を使いますよね。
「書かさせていただきます」とか「やらさせていただきます」みたいな。「結婚させていただきました」なんて表現に至っては、もうだれに対して敬語を使ってるの?ってレベル。
これについては、『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』でシンプルな処方箋が提案されています。
「させていただきます」は、たいていの場合、「いたします」で事足ります。
つまり、「させていただきます」を使いたくなったら、「いたします」に言い換えてみようってことです。これを心がけるだけでも、ずいぶんと文章がすっきりするはず。
「お手すきの時に」がNGな理由
また、「お手すきの時に」ってのも使ってしまいがちな表現だと思うんですが、これも避けた方がベター。どう言い換えればいいかというと「お手すきの時にご確認ください」ではなく「修正が必要でしたら●日13時までにご連絡ください」って感じです。
「お手すきの時に」だと、「じゃあ手の空いたときに読もう」となって後回しにされてしまいやすくなります。さらに期限を設けないことで、たとえば一週間後に「すいません、ここ直してください」なんて連絡が来る可能性だって出てきます。
加えて、ここまでへりくだってしまうと力関係が明確になってしまうんですよね。本来はこちらと相手とで対等な関係なはずなのに、「お手すきの時に」と気を遣いすぎると、こちらが相手より下って立場に固定されてしまうわけです。
謙虚で親切な人ほど「お手すきの時に」を使ってしまいがちですが(私もその1人です…)、こうしたデメリットもあるってことを知り、できるだけ使わないようにしたいものです。
まとめ
以上、ビジネスメールやチャットの文章で気をつけたい「ビジュアル」「対等な言葉づかい」という2点について紹介してきました。より伝わりやすい文章を目指すなら、「要件を最初に持ってくる」とか「イエスorノーで答えやすい質問にする」みたいなポイントもあります。
その辺を詳しく知りたいって方は、『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』をぜひ読んでみてください〜。