『嫌われる勇気』では、人間の悩みはすべて対人関係に由来するといいます。
また、対人関係の悩みでは「より大きな共同体の声を聴け」という原則が大事だとも述べられています。
この原則を使えば、私たちはすべての悩みから解放されるんじゃないかという話です。
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1.人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
アドラー心理学を扱ったベストセラー本『嫌われる勇気』では、
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」。これはアドラー心理学の根底に流れる概念です。もし、この世界から対人関係がなくなってしまえば、それこそ宇宙のなかにただひとりで、他者がいなくなってしまえば、あらゆる悩みも消え去ってしまうでしょう。
と書かれています。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」というのは、一見極端な言葉のようにも感じますが、よく考えてみると事実を言い当てていることがわかります。
たとえば、仕事がうまくいかないという悩みがあったとします。
その悩みの根底には「できないやつだと思われたくない」「周りの評価を高めたい」という欲求があったりするものです。
これなどはまさに、対人関係の悩みであるといえるでしょう。
2.「より大きな共同体の声を聴け」という原則
また、同書ではこんなことも述べられています。
われわれが対人関係のなかで困難にぶつかったとき、出口が見えなくなってしまったとき、まず考えるべきは「より大きな共同体の声を聴け」という原則です。
「より大きな共同体」ってのは、地域社会や国、世界・宇宙っていう集団のことであります。
たとえば、学校でいじめにあい、先生からも手を差し伸べてもらえず悩んでいると考えてみます。
この場合に「より大きな共同体の声を聴く」という原則では、次のように考えることができます。
学校の外には、もっと大きな世界が広がっています。そしてわれわれは誰しも、その世界の一員です。もしも学校に居場所がないのなら、学校の「外部」に別の居場所を見つければいい。転校するのもいいし、退学したってかまわない。退学届一枚で縁が切れる共同体など、しょせんその程度のつながりでしかありません。
つまり、学校という共同体や、家庭というより小さな共同体にとじこもるのではなく、地域社会・国・世界・宇宙といったより大きな共同体に目を向けようってことです。
もし宇宙の声を聴く(宇宙の視点で世界を見る)ことができれば、
「地球というごく一部の星で、日本というごく一部の国のなかで、自分の地域・学校というごく一部の共同体で起きたごく小さな悩みだったんだ」
と考えることができるでしょう。
「宇宙から見ればチリに等しい悩みだ」なんて達観できるかもしれません。
そうなれば、学校という小さな枠組みのなかでウジウジ悩むことはせず、より人生を楽しむことができるでしょう。
3.すべての悩みを解決する具体策
この「より大きな共同体の声を聴け」という原則は、私たちのどんな悩みにも当てはめることができます。
お金の悩みにも、家族の悩みにも、将来に関する悩みにも適用可能です。
なぜなら、
- 人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
- 対人関係の悩みは、「より大きな共同体の声を聴け」という原則で解決できる
- 人間の悩みは、「より大きな共同体の声を聴け」という原則で解決できる
という三段論法が成り立つからです。
人生でなにか悩みに直面したとき、自分だけで解決しようとせずに家族に相談したり、哲学書を読んでみたり、歴史を紐解いてみたりすることで解決できる。
そう言い換えることもできるでしょう。
あるいは解決に結びつかなくても、「大きな共同体のなかでは、自分の悩みなんてちっぽけだ」と考えることができれば、心はずっとラクになります。
とにかく大切なのは、「小さな共同体に閉じこもらない」ということなのであります。
まとめ
- アドラー心理学によれば「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
- 対人関係の悩みは、「より大きな共同体の声を聴け」という原則で考えるのが第一歩
- つまり人間の悩みは、「より大きな共同体の声」を聴くことで解決を望める
以上、『人生で悩んだときは「より大きな共同体の声」を聴くべしby『嫌われる勇気』』という記事でした。
『嫌われる勇気』は、私がこれまでに読んできた本のなかで一番人生を変えてくれたものでした。
「ベストな1冊を選ぶなら?」と聞かれたら、迷わず『嫌われる勇気』を選択します。
それは同書が単なる自己啓発本などではなく、ひとつの「哲学書」だからであると、私は考えています。
これからも『嫌われる勇気』で描かれる哲学を学び、よりよい人生を歩んでいきたいものです。