「これまで」にやった作業を振り返って達成感を持つべきか、それとも「これから」やる作業を見据えて目標達成までの距離に意識を向けるべきか。モチベーションを保つためには、どちらの方法を選んだらいいのでしょうか。
その答えは、目標達成に関する研究をコンパクトにまとめた『やり抜く人の9つの習慣』という本に述べられています。
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1.「これまで」の達成感か「これから」の距離か
たとえば、宿題や仕事が全体の50%まで終わったとき、「もう50%もがんばった!」って考えることも、「残りあと50%だ!」と考えることも可能です。ここでは、前者の考え方を「これまで思考」と呼び、後者の考え方を「これから思考」と呼びます。
どちらの考え方をしても別に問題ないんですが、モチベーションという観点から考えると、やる気を削いでしまう考え方とやる気を維持してくれる考え方があるのです。
「これまで」に目を向けて達成感をエネルギーにしていくべきなのか、それとも「これから」を意識してゴールまでの距離をモチベーションにしていくべきなのか。どちらにも理がありそうですが、心理学的にはこっちがいいよ、という結論が出ています。
2.モチベーションアップのためには「これから」を考えよう
それは、ゴールまでの距離を意識する「これから思考」のほうでした。『やり抜く人の9つの習慣』で取り上げられている、シカゴ大学の心理学者ミンジョン・クーとアエレット・フィッシュバックの研究によりますと、
「これまで思考」の強い人は、早い段階で達成感を持つために、早く気が緩んでしまう ─クーとフィッシュバックの研究で、そのことが明らかになっています。
反対に「これから思考」を重視して、目標までの距離を測ると、モチベーションは維持されます。 さらには「これからやるべきこと」を意識することでモチベーションを高めることもできます。
とのことだったそうな。
「50%もがんばったぞ!やった!」と考えてしまうと、100%に達する前に達成感が得られてしまうので、残りの作業のやる気をなくしてしまうってわけですね。逆に「残りはたったの50%だ!がんばれ!」と考える人は、やる気を維持し、さらに高めることも可能とのこと。
「ここまでやったぞ!えらい!」という達成感は確かに気持ちのいいものですが、長期的に見れば作業を遅らせてしまう結果になりそうです。次回の勉強や仕事では、「これから思考」で作業に取り組みたいですね。
3.「少数の法則」もおすすめ
なお、当ブログでは似たような話として「少数の法則」ってのも取り上げておりました。
「80%達成」よりも「残り20%」
「残り80%」よりも「20%達成」
というように、全体の作業量を100として、これまでに達成した作業量か、これからやるべき作業量のどちらか少ない方に目を向けると、やる気が高まるよって話でした。80%達成したときには「残り20%だ!」。残り80%のときは「20%進めたぞ!」と考えようってことですね。
個人的には、「これから思考」よりも「少数の法則」のほうが効果があるように思います。最初のうちは「20%がんばった!」ってことをモチベーションにして、折り返し地点からは「残り20%だ!」って考えたほうがやる気につながりそう。
このあたりはそれぞれの好みにもよるんじゃないかと思いますので、自分がやりやすい方法をお試しください。
まとめ
以上、「これまで」に目を向けるよりも「これから」に目を向けた方がモチベーションが高まるぞ!って話をしてきました。「少数の法則」も含め、きっと生産性アップにつながると思いますんで、ぜひ試してみてください。